金藤理絵200m平で金 引退危機乗り越え“未完の大器”開花

公開日: 更新日:

 完勝だった。

 日本時間12日午前に行われたリオ五輪競泳女子200メートル平泳ぎの決勝。金藤理絵(27)は2位に1秒67もの大差をつけてゴールした。圧倒的な金メダル。右拳を突き上げ、「信じられない。いろんなことがあった8年間。コーチや仲間、家族に支えてもらって、世界の頂点を狙ってやってこれた」と言って涙を流した。

 100メートルを折り返してトップに立つと、力強いストロークでその後は一人旅。得意の後半でぐんぐんと差を広げ、世界の強豪たちを引き離した。

 08年の北京五輪で7位入賞。「未完の大器」を返上すべく臨むはずだった12年ロンドン五輪は、国内選考会で敗れてまさかの落選。腰のヘルニアを発症し、何度も引退を考えた。東海大時代から指導を受ける加藤健志コーチに怒鳴られ、突き放され、慰められ、ようやく目が覚めたのが昨年の世界選手権。6位と惨敗したが、「こんなレースで競技人生を終わらせたくない」と消えかけていた闘志に火がついた。

 1日2万メートルを泳ぐ猛練習などに耐え、27歳になったベテランは今季に入ってタイムを大幅に伸ばした。4月の五輪選考会を兼ねた日本選手権で世界記録(2分19秒11)に0・54秒差に迫る今季世界最高タイムをマーク。金メダル候補として臨んだ今五輪で、ついに「未完の大器」が花開いた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状