初日にいきなり土 稀勢の里9月場所の綱とり“ジ・エンド”

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「これじゃあ、9月“スカスカ”場所だよ」

 報道陣の中から、そんな声が出たのも当然だ。11日の大相撲9月場所初日。のっけから大関稀勢の里(30)に土がついた。

 相手は対戦成績16勝2敗と圧倒している隠岐の海(31)。立ち合いこそ良かったものの、雑な相撲で攻め急ぎ、土俵際に追い詰めても決め手がない。下手を取られて体を入れ替えられると、あっけなく寄り切られた。

 これには満員御礼のファンも、ため息をつくことしきり。今場所は、3場所連続の綱とりがかかっている。しびれを切らす審判部は「自身の初優勝」(二所ノ関審判部長)とまで昇進基準を落としていた。しかも今場所は、天敵の横綱白鵬が右足親指と左ヒザの負傷で休場中。これ以上ないチャンスが転がり込んできながら、初日に自らそれを手放したようなものである。

 もちろん、「まだ1敗」という考え方がないわけではない。横綱日馬富士は白星発進となったが、横綱鶴竜にも土がつき、残り14日間もある。稀勢の里がこれ以上取りこぼさなければ……との期待はしかし、裏切られる可能性が高い。

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