ハリル氏もやり玉 サッカー代表監督が集中砲火浴びるワケ

公開日: 更新日:

「どの国のマスコミも、サッカーの代表監督に対しては厳しいです。ブラジルの代表監督だったドゥンガも、マスコミとは犬猿の仲でした。日本のスポーツマスコミもサッカーの代表監督に関して批判記事が多い。それは報道に邪魔なしがらみがないことが大きい。例えばプロ野球の記者は、チームと一緒に行動するため監督や選手との関係が濃い。なかなか批判的な記事は書けないし、書けば取材禁止になるケースもある。サッカーはフリーの記者が引っ張ってきた歴史がある。日本代表の試合も申請すればフリーの記者でも取材ができ、思っていることが自由に聞ける。2度代表を率いた岡田(武史)元監督も、かなりマスコミに叩かれていましたが、W杯出場と本番で好成績を出すために招聘された外国人監督の場合は、どうしても厳しい見方をされますね」

■愛情が批判に

 プロ野球の場合、選手との関係を最優先するあまり筆が鈍るケースも多く、スポーツ紙などが牛耳る環境がなれ合いに拍車をかけている。スポーツライターの平野史氏はこう分析する。

「サッカーは野球と比べて世界的なスポーツですから、サッカーで食べているメディアも多い。厳しい見方のメディアが2割でも、100人中の2割と1万人中の2割では数がまったく違う。たとえ少数派でも、厳しい意見を言う人数が多ければ目立つ。加えて、フリーのサッカーライターはサッカーが大好きという人が多い。サッカーに対する熱や愛情が批判につながっているというのも厳しくなる要因のひとつでしょう。ただ、ここ1、2年でフリーライターが記事を書く場合、サッカー協会が“『代表』という言葉を使うならカネをよこせ”と、芸能界のような権利の主張を取り入れてきている。それが影響して、今後は厳しい記事が減っていくかもしれません」

 可愛さ余って憎さ百倍ということか。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性