16歳の平野美宇 女王石川を翻弄した“秘技”と強靱メンタル

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「女王」を陥落させた。

 22日、全日本卓球選手権女子シングルスで平野美宇(16)が初優勝。88年に17歳1カ月で優勝した佐藤利香の記録を抜き、16歳9カ月で史上最年少での頂点となった。破った相手は大会3連覇中で昨年の決勝で負けた「女王」石川佳純(23)。喜びもひとしおだったに違いない。

 敗れた石川は「正直、何が起こったのか分からない。レシーブのボールをスマッシュされた。私たちからするとありえない。『平野さん』は去年よりもすごくスピードアップしていた。今日は何を打っても入らないなと思った」と放心状態。今まで「美宇ちゃん」と言っていたのが、いつの間にか「平野さん」と呼び方まで変わっていた。

■セオリー無視の「レシーブスマッシュ」

 元女王を翻弄した“レシーブスマッシュ”はセオリー度外視のトリックプレー。新女王は「去年(の決勝)は出だしが悪かったのが反省点。レシーブで引いたらダメだと思って、作戦としてやろうと決めていた」と明かした。

 平野を頂点に導いた原動力は、リオ五輪代表の落選だろう。優勝直後のインタビューでも「リオ(五輪)に出られなくてすごく悔しかったので、今日は絶対優勝したかった」とうれし涙を流していた。リオ代表の3枠に入ることができず、現地では練習相手やボール拾いを務める「サポートメンバー」としての参加という屈辱を味わった。

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