契約延長と故障リスク…マー君の今季はジレンマ登板続く

公開日: 更新日:

 田中にすれば、いま以上の年俸を手にすることは困難でも、オフの契約破棄条項を武器にせめて1、2年の契約延長は勝ち取りたい。

 今年はオープン戦6試合、計23回3分の2を投げてたった2失点(自責点1)。開幕戦は黒星だったとはいえ、例年になく好調なのは、ヤンキースとの契約をできるだけ有利に運びたいという意思の表れに違いない。

■右肘靭帯が完全断絶ならすべてパー

 しかし、だからといって田中には常にフルスロットル、全力投球を続けるわけにはいかない事情があるとか。ライバル球団のスカウトがこう言うのだ。

「右肘靱帯の部分断裂ですよ。田中は1年目のシーズン中に肘の故障で離脱して以降、明らかに力をセーブして投げているように見える。ボールをリリースする瞬間の力強さが、1年目の序盤ほどじゃなくなりましたからね。特にストレートを投げる際に、そういった兆候がうかがえる。ボールに全力でスピンをかけにいって、ブチッといくのが怖いのでしょう。靱帯が完全に切れてしまったら、他の部分の腱を肘に移植するトミー・ジョン手術が必要になる。契約破棄どころか、1年以上、投げられなくなるわけですから」

 自らの価値を高めるために今年こそぶざまな投球はできないが、かといって無理をして靱帯が完全に切れてしまったらすべてがパーだ。

 今季の田中はジレンマを抱えながら投げることになる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」