<千代の国憲輝>恩師の死に号泣した“伊賀の空手力士”

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東前頭筆頭・九重部屋・26歳

 前頭筆頭で臨んだ5月場所は2勝13敗。それでも182センチ、138キロと細身の体形を生かしたスピード相撲は、ファンに強い印象を与えた。

 2日目は鶴竜から自身初の金星。3日目は稀勢の里に敗れるも、果敢に攻めて横綱を引きずりまわした。これには相撲評論家の中澤潔氏も「負けたけど、株を上げた。あれこそ、お金の取れる相撲です」と、大絶賛だ。

 三重県伊賀市出身。幼少期から武道家の父に空手を習い、中学時代は柔道部に所属。兄が「千代の眞」の四股名で九重部屋に所属していたこともあり(12年に引退)、自身も中学卒業後に角界入りを決めた。ある部屋関係者は「まだ先代九重親方(元横綱千代の富士)が存命だった頃です」と、こう続ける。

「現役力士だった兄を激励するため、名古屋場所中に九重部屋の宿舎を訪れた。千代の国は当時からガタイがよかったですからね。九重親方に一目で気に入られたんです。その後はもう、接待攻勢ですよ。うなぎやら高級和牛のすき焼きなどをたらふく食わせてもらった上に、小遣いまでもらった。そこで九重親方が『おまえ、ウチに来るんだろう?』ですからね。あの千代の富士にそう言われて断れる子供はいませんよ(笑い)」

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