川内の9位がやっと 男子マラソン“粘って拾う戦法”に限界
予想通りの結果だった。
男女同日開催のマラソンは、男子はケニアのジョフリー・キルイ(24)が2時間8分27秒で初優勝。日本勢は、今回で代表引退を表明している川内優輝(30)が2時間12分19秒で9位。中本健太郎(34)は2時間12分41秒で10位、井上大仁(24)は2時間16分54秒で26位に沈んだ。
女子は、元ケニア人のローズ・ケリモ(28=バーレーン)が2時間27分11秒で優勝。35キロすぎまで先頭集団にいた清田真央(23)は終盤に遅れて2時間30分36秒で16位。フルマラソン2回目の安藤友香(23)は2時間31分31秒で17位。2時間36分03秒の重友梨佐(29)は27位に終わり、女子は11大会連続入賞を逃す惨敗だった。
レースを観戦した陸上ジャーナリストの菅原勲氏がいう。
「清田、安藤はフルマラソンが3回目と2回目ですからこの経験を生かして欲しい。男子は、夏のレースとしては涼しく、しかも優勝タイムは2時間8分27秒です。日本選手でも対応できるタイムでした。それでもアフリカ勢が20キロすぎにペースを上げるとすぐに離され、終盤は粘って落ちてくる選手を拾うだけ。このワンパターンの戦法では入賞するのがやっと。アフリカ勢がどこかでスパートすることは分かっているはずです。そのペースについていけないのなら、イチかバチか20キロの手前ぐらいから先頭に立って逃げるといった大胆な戦法をとらない限り、メダル争いに加わることさえ無理です。3年後の東京五輪は、マラソン初挑戦のボストンで3位に入った大迫傑(26)ら、トラックでスピードを磨いた若手に期待したい」
東京五輪まであと3年。何かを変えない限りマラソンは入賞さえ厳しい。