デリカフーズHD 大﨑善保社長(1)代役として出席した結婚式で運命の出会い
業務用カット野菜事業では業界最大手のデリカフーズグループ。外食チェーンや中食企業など、全国3万店舗以上に青果物やカット野菜などを提供している。
コロナ禍を除き、2010年以降、右肩上がりの売り上げ拡大を続けている。最前線で指揮を執っているのが、デリカフーズホールディングス社長の大﨑善保(53)だ。大﨑の人生は波乱に満ちている。愛知県で生まれた大﨑は、高校を卒業後、大阪のアパレルメーカーに就職したのち、父親の経営していた婦人服卸の会社に就職した。
ところがバブルが崩壊すると、父の会社は経営が悪化、大﨑は一念発起して、自ら起業しセレクトショップを立ち上げた。20歳のときだ。その後、名古屋駅前の百貨店で売り場を獲得し、経営は順調だったが、何か物足りなさを感じていた。
人生を大きく変えたのは、知人に頼まれて代役として出席した結婚式だった。1995年、24歳のときだ。
大手外食チェーンの御曹司の結婚披露宴だった。ダイエーの創業者・中内㓛などそうそうたるメンバーが出席していた。大﨑が着席したテーブルで、たまたま隣り合わせになったのがデリカフーズの創業者、舘本勲武だった。