威圧的指導に選手反発、脱走者まで…新体操強化本部長パワハラ指導の根源はロシア依存
「あれだけ厳しい口調で指導していれば、選手から反発を招くのは当然」
複数の選手から、威圧的な指導を告発された新体操の村田由香里・日本体操協会強化本部長(43)について体操関係者から、こんな声が聞こえきた。
同協会によれば、村田氏が練習中、ミスがあった選手を怒鳴ったり、叱責を繰り返してきたことで、精神に異常を来して代表を離脱したり、今年2月には都内の強化拠点での合宿中、脱走を図った選手もいたという。
監督責任の不備で協会から厳重注意を受けた村田氏は一時的に代表を離れたが、新たに4大会連続で五輪に導いた山崎浩子前強化本部長(65)をサポート役に迎えて指導を継続する見込みだ。
体操界ではいまだに前近代的な指導がはびこり、長らく問題視されてきたが、今回の村田氏のパワハラ指導は協会によるロシア依存も一因だろう。
日本の新体操は長らく、指導者育成、選手強化を本場ロシアに委ねてきた。これまで個人、団体とも日本代表をロシア代表の強化拠点があるサンクトペテルブルグに派遣し、現地のコーチの指導のもと、長期間に渡る合宿を行ったこともあった。今回、パワハラ指導の実態が浮き彫りになった村田氏も現役引退後、ロシアに留学して指導者として研鑽を積んできた。