日馬富士に退職金2億円 朝青龍の“大甘裁定”が前例

公開日: 更新日:

 ドロボーに追い銭とはこのことだ。

 引退を表明した日馬富士は、自ら身を引いたことで相撲協会からの多額の退職金(養老金、勤続加算金)を手にする。横綱の養老金は1500万円と定められ、十両から横綱まで各地位での出場場所数によって金額が変わる勤続加算金は日馬富士の場合で約4400万円。今後、警察や協会の危機管理委員会の調査が進んで除名や解雇となった場合は、支給見送りや減額の可能性もあった。調査結果が出る前の引退表明には、そんな背景もあるともっぱらだ。

 元祖問題横綱の朝青龍もそうだった。2010年1月に一般人に対する暴行事件を起こすと、約1カ月後に突然、引退届を提出。同日に出されるはずだった横綱審議委員会からの「引退勧告書」の先を越す形で、涙の引退会見を行った。

 その結果、朝青龍は協会規定の満額となる退職金3685万円を手にしただけでなく、「横綱・大関にのみ支払われる特別功労金もせしめた。金額は1億2000万円。これは、過去最高の元横綱貴乃花に支払われた1億3000万円に次ぐ額で、武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)が率いた当時の相撲協会は批判にさらされました。これに、引退後に支払われる懸賞金の協会積立金と合わせて、朝青龍が手にしたのは3億4000万円超。大甘裁定といわれましたが、朝青龍の前例があるだけに、日馬富士にもすべて合わせて2億円前後のカネが支払われることになるはずです」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  3. 3

    「おこめ券」迫られる軌道修正…自治体首長から強烈批判、鈴木農相の地元山形も「NO」突き付け

  4. 4

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  5. 5

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  1. 6

    12月でも被害・出没続々…クマが冬眠できない事情と、する必要がなくなった理由

  2. 7

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  4. 9

    黄川田地方創生相が高市政権の“弱点”に急浮上…予算委でグダグダ答弁連発、突如ニヤつく超KYぶり

  5. 10

    2025年のヒロイン今田美桜&河合優実の「あんぱん」人気コンビに暗雲…来年の活躍危惧の見通しも