スケート勢は300日合宿 マラソン界に足りない覚悟と本気

公開日: 更新日:

 連盟の方針に所属先も理解を示し、スピードスケート陣のレベルは確実にアップした。その象徴が、ソチ五輪代表漏れの高木美帆であり、今季ワールドカップで3戦連続の世界新記録でスケート界を驚かせた女子チームパシュートなのだ。

駅伝栄えて本末転倒

「お家芸」といえば、日本のマラソンもかつてはそういわれた。女子は1992年バルセロナ、96年アトランタで有森裕子が銀、銅。2000年シドニー、04年アテネでは高橋尚子、野口みずきが連続金メダルの快挙を成し遂げたものの、以後3大会は入賞(8位以内)もない。男子に至っては、森下広一のバルセロナの銀が最後だ。「東京五輪のマラソンでメダルを狙う」というなら、日本陸上競技連盟(陸連)こそ、マラソンの有望選手を集めて300日合宿をやるべきではないか。

 陸上ジャーナリストの菅原勲氏は、「駅伝がある限り、NTの長期合宿は絶対に無理です」と言って、こう続ける。

「マラソン強化が目的だった駅伝が、今はマラソン衰退の原因になっている。駅伝があるからマラソン大会に出ない選手もいるのは本末転倒です。本気でマラソン選手の強化に取り組むなら、国内の駅伝大会を一斉に廃止するべきです。そのぐらいドラスチックなことでもしない限り、日本のマラソン復活はない。しかし現実は、箱根駅伝も実業団の駅伝も陸連は大学や企業の論理に従っている。モノが言えないのです。日本の長距離界が駅伝に縛られている以上、『五輪でメダルを狙う』といっても説得力はない」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」