内野たらい回しも我慢 鳥谷は“虎名手の大記録”が心の支え

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「言われたところでやるだけ」とは言うものの、内心は面白くないはずだ。

 阪神鳥谷敬(36)は昨年、遊撃から三塁へ回された。

 今春のキャンプも当初は三塁を守り、2年目の大山は二塁でノックを受けていた。ところが、2週間もたたないうちに金本監督は「大山三塁、二塁鳥谷」を決めた。大山の打撃を買っている金本監督は、二塁より守備の負担が少ない三塁の方が大山は活躍できるとみているからだ。さらにその先には、「4番・三塁」の生え抜きスターを育てたい意向もあると聞く。

 大山の“犠牲”になった形の鳥谷は今年、5年契約の4年目。現役生活は長くはない。控えではなく、レギュラーとしてもう一度優勝したいという思いも強い。ポジションをたらい回しにされようが、グッと耐えてゲームに出た方が得策だ。

「それと、もうひとつ」と、あるOBが鳥谷の胸中についてこう語る。

「鳥谷はゴールデン・グラブ(GG)賞を5回取っている。本職の遊撃で4回。昨年の三塁で1回だ。今年二塁で取ると、阪神の内野手では掛布の6回に並ぶ。しかもだ、遊撃、三塁、二塁の3つのポジションでGG賞なら立浪(元中日)以来2人目。その記録を担当記者から教えてもらい、励みにしているんだよ」

 セ・リーグで二塁の名手といえば、4年連続GG賞の広島・菊池。ライバルは強敵だ。

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