技で魅せるシニアは大味なレギュラー大会より見どころ満載

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【日本シニアオープン】

「苦しい内容だったけど、パッティングに助けられて、よくイーブンパーで回れた。今日はラッキーでした」

 かつて“怪物”と呼ばれた川岸良兼(51)が、首位に1打差3位タイと好スタートを切った。

 180センチ、88キロの恵まれた体格を持ち、パーシモン時代に300ヤードを軽々超えるパワーヒッターとして注目された。高校生の時に出場したツアー競技では、尾崎将司をオーバードライブしてプロやギャラリーの度肝を抜いたこともある。

 日大ゴルフ部を経てプロテスト合格の翌1990年に3勝を挙げたが、勝ち星は99年フィリップモリスチャンピオンシップの6勝目が最後だ。

 その頃に登場し出したメタルやチタンドライバーでは、得意のパーシモンドライバーのようにボールを自在にコントロールするギア効果が得られず、クラブの技術革新に適応できずにスランプに陥ったともいわれた。

「デビュー当時の川岸はリストを柔らかく使ってボールを飛ばしていた。怖いもの知らずの勢いがあった。ところが米ツアーに挑戦するようになってから、当時、海外ではやったスイングに変えたのがアダになった。バックスイングがコンパクトになり、リストの動きまで小さくなってぎこちなくなった。米ツアーで自分のゴルフを見失って調子を落としていった。しかし、今週のプレーを見たら体に柔らかさが出ており、手堅くプレーしている。知名度のある川岸が優勝争いに絡んできたら大会は大いに盛り上がるでしょうね」(評論家の菅野徳雄氏)

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