山田隆道作家
１９７６年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ
落合博満が「権威あるご意見番」になるのはつまらない
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■アンチの本流
落合の選手・監督としての実績を考えると、彼がＯＮや野村克也に代わる球界の新しい権威になるのは納得できる。思えば現役時代から落合特有のリベラルな意見は常に保守本流のカウンターとして存在感を発揮してきた。２０００安打を達成しながら名球会に入会しなかったことに代表されるように、落合は常にアンチ本流の人間だった。
しかし、今やそんな落合が本流のオピニオンリーダーになりつつあるわけだから、なんとなく妙な感じもする。落合語録とはそれまでの定説をひっくり返すところに醍醐味があったわけで、そのひっくり返す対象がなくなると、権威こそあれども痛快さは失われる。
正直、落合がただの権威になってしまうのはつまらない。彼が存分にカウンターパンチを繰り出せる本流のライバルがほしい。あるいは、そんな落合の野球観をひっくり返す新世代のＯＢが出現してほしい。イチローあたりなら適任なのだが。
