著者のコラム一覧
松崎菊也戯作者

53年3月9日、大分県別府市生まれ。日大芸術学部放送学科卒業後は宇野重吉らが率いる「劇団民藝」に所属。その後はコントグループ「キモサベ社中」「キャラバン」を経て、88年にコントグループ「ニュースペーパー」を結成。リーダー兼脚本家として活躍した。98、99年にはTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか!」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセイや一人芝居を中心に活躍中。

パリ五輪落選も納得 フランスで野球ってイメージ湧くか?

公開日: 更新日:

 東京五輪の次の開催地、パリで野球が追加競技から落選した。代わりにブレークダンスが入るそうだ。野球場を造るにゃカネかかるが、ブレークダンスは凱旋門の前でもできる。それよりフランスで野球とゆ~イメージが、あんた湧きまスカ?

 パリっ子に言わせりゃ(以下仏語でな)「やきゅう? 知らねどビョン。もともと英仏海峡の向こうで、ボッキレで球ぶっ転がしたクリトッケ? オノノノ、クリケット。花の都ではやらなシャンソン。パリじゃ野球アリーナもねえし、困っタレブ~」とか言いやがるにちげえねえ。

 第一な、パリっ子だかハリハリ漬けだか、ん~な連中だ。言葉だって津軽弁との違いが分からないぐれえだもん。

「網ん中に球入れりゃ点が入る球蹴りとかそういう単純なルーブルでねば理解まいねびょん。ほとんど立ってるだけのよ~にメぇルシ~僕、ブルゴ~ニュ棒っきれ振り回セシボンほとんど前に飛ばねだビョン。男も女も見ないでアルルの女」

 昔々、プロ野球でタイトル取ったご褒美にヨーロッパ旅行に連れてってもらった長嶋、王、野村、稲尾がエッフェル塔の前で撮った記念写真を見た覚えがある。みんな着慣れねえコートにソフト帽かぶってな、どう見ても旗持ったおねいさんに先導されて、「え、みなさま、え正面奥に、い、そびえ立ちますのが、あ、かの有名な、えっふぇる塔で、え、ございます」なんつうとるのを、「東京タワーのほうが高えんでねべか?」と居心地悪そうな農協のおっさんに見えた。

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