著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

大坂なおみはセリーナ戦を再ブレーク“夏の陣”にできるか

公開日: 更新日:

 確かに大坂は不安だらけだった。春のクレーコート3大会の2大会で棄権、スタッフの入れ替えもあってバタバタした。少し体重が増えた印象はあるが、これだけ騒がれても相変わらず天然な笑みを浮かべ、純粋さは少しも濁っていない。王座に慣れ、精神的な安定を取り戻せば、やはりサーブもショットも威力は抜群だ――再ブレーク、そして快記録への分岐点は準々決勝にある。

 順当なら、そこでセリーナと対戦するドローは、いまの大坂にもってこいだ。セリーナは前人未到の通算24度目のグランドスラム優勝を狙い、最大の壁が全米決勝で負けた大坂。最近になって、この新旧2人の関係がより明確になってきた。

 昨年のブレークを導いた前コーチのサーシャ、フィジカルトレーナーのシラー、オフに茂木トレーナーに代わったクリスティ・スターは、いずれもセリーナ陣営のスタッフだったし、新コーチのジェンキンスも姉ビーナスのヒッティングパートナー上がり。4月に茂木トレーナーが復帰するとスター・トレーナーはセリーナ陣営に逆戻り……セリーナ姉妹は共にアラフォーで、女子テニスを20年牛耳ってきたウィリアムズ家の頭脳が21歳の大坂へ流出している人事構造……2人の間には余人の知らざる恩讐が横たわっている。対決が実現すれば、大坂陣営は総力を挙げて昨年の全米決勝を再現させるはずだ。

 準々決勝こそ天下分け目の“大坂夏の陣”で、大坂なおみにとってセリーナという分かりやすい目標は、メンタルタフネスを取り戻して、新たな一歩を踏み出すきっかけになり得る。

 記録もさることながら、新旧女王が放つ火花に注目したい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    北島三郎(2)2018年に次男が急逝「息子だけど、音楽の、とても良い仲間でもあった」

  2. 2

    菊池風磨はジャニー喜多川氏の“推薦”もあって慶大総合政策学部に進学 仕事の合間に1日10時間の猛勉強

  3. 3

    2026年夏の甲子園は「不作」を通り越して“凶作”…プロスカウトが指摘する異変の原因

  4. 4

    豊昇龍が長期離脱で大の里までピンチ! “ひとり横綱”の重圧で「共倒れ」にならないか

  5. 5

    有望高校球児の進路事情に異変! 青学大は「ドラフト指名と同等の価値」「明大より上」とプロスカウト

  1. 6

    SNSで大バズリ! 高市首相の「激ヤバ発言動画」発掘がブームに…中には悪質な切り取りも

  2. 7

    スマスロ『L戦国乙女5』は前評判での「覇権台」が裏目に…ユーザーの厳しい意見に今後のホールの対応は?

  3. 8

    ヤンキースの「横浜・織田翔希獲得プラン」をスッパ抜く! キーマンに挙がる“日本人実業家”の名前

  4. 9

    夏の甲子園投手 プロ注目の4人をスカウト「ガチ評価」最注目の横浜・織田翔希には“意見”割れる

  5. 10

    佐藤輝明「三冠王」なら年俸いくら? メジャー流出阻止へ阪神が用意する破格の条件