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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

錦織圭に必要なのは「また次があるさ」の楽な気持ち

公開日: 更新日:

 全仏オープンがジワジワと迫っているのに、日本勢はパッとしない。錦織圭はクレーシーズンに入ってからバルセロナのベスト4だけで、モンテカルロ、マドリードとも早々に姿を消した。大坂なおみも線香花火で、いいショットをチラつかせながら集中力がポトッと切れてしまう――どうも覇気が感じられない。

 テニスにはマラソンのような難しさがある。春からのハイシーズン、まずは2カ月間、足元が滑りイレギュラーの多いクレーコートでの長いラリー戦が続く。慣れた頃に今度は一転して、球足が速く弾道の低い芝の速攻勝負に移る。細かな不規則バウンドのイライラを乗り越えた先に、アメリカの夏の炎天下……転々とする環境で体力と精神力を競り合い、冬にはインドアでしっかり技術を試されるのだ。

 こうした、山あり谷ありのシーズンを乗り切るカギはリラックス、すなわち、気持ちの切り替えであり前向きの精神構造だ。選手たちがよく口にする「楽しむ」心持ちがなければ、とてもやっていられない世界である。

「人間何が嫌かって、煩わしいのが一番ですよ」

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