著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

大坂なおみ電撃解任も一端 女子“コーチ回転木馬”の背景

公開日: 更新日:

 衝撃的だった大坂なおみのコーチ解任劇は、ジャーメイン・ジェンキンスを新コーチに迎え、とりあえず落ち着いた。

 新チーム最初のBNPパリバ・オープンは4回戦で敗れたが、女王らしいショットを随所に披露し、気持ちの切り替えに成功したと考えていい。

 このところ、特に女子はコーチの入れ替わりが激しい。女子ツアーを統括するWTAは〈コーチ回転木馬〉として報告している。2年前に大坂についていたデビッド・テイラーはその後、エレナ・オスタペンコからマディソン・キーズと渡り、いまはエリス・メルテンスを見ている。ウィム・フィセットはシモナ・ハレプからアンジェリック・ケルバーと移って今度はビクトリア・アザレンカ……大坂なおみのケースもその一端と言えるが、単純な話だけでもなさそうだ。

 前コーチのサーシャはセリーナ・ウィリアムズのヒッティングコーチだった。新コーチのジェンキンスは姉ビーナスのヒッティングコーチとしてトップ5復帰に貢献した。この34歳の新コーチはただ者ではない。現在、世界のトップ10にいるジョン・イスナーやケビン・アンダーソンが入学してきた頃にNCAAでクレムゾン大学の主将として活躍、オールアメリカンになった。弟ジャーミアのコーチをしてからビーナスと合流、やがて弟を出産後のセリーナのヒッティングコーチとしてチームに紹介している。そこに、いま大坂のトレーナーになっているアブドゥル・シラーもいた。ウィリアムズのチームからコーチ3人が大坂陣営に流れた――偶然だろうか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも