司令塔・富樫が右手薬指骨折…八村塁に求められる“四刀流”

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 NBA選手2人を擁し、W杯(8月31日開幕=中国)史上初の決勝トーナメント進出を目指す男子バスケットボール代表に一大事である。

 ポイントガード(PG)の富樫勇樹(25=千葉)が、都内での合宿中に右手中指を骨折。チームによれば、完治まで2カ月を要するため、W杯出場は絶望的だという。

 長らく日本代表のPGを務める富樫は167センチと小柄ながら、攻守両面でチームを牽引。いわゆるバスケIQが高く、フリオ・ラマス・ヘッドコーチ(HC)の戦術を忠実に具現化するだけでなく、時には激しい口調で選手を鼓舞する闘将でもある。Bリーグの前身であるbjリーグ時代から数々のタイトルを獲得し、6月の契約更改では史上初の1億円プレーヤーとして話題を呼んだ。

 都内で取材に応じたラマスHCは「富樫の離脱は痛手だが、今いる(代表候補の)17人でやりくりするしかない」と、NBAサマーリーグにペリカンズから参加した比江島慎(28=宇都宮)らを代役に立てる方針を明かした。

 司令塔を失ったことでW杯ではこれまで以上にスモールフォワード(SF)八村塁(21=ウィザーズ)の役割が増える。オフェンス、ディフェンスで中心的存在になるのはもちろん、時には富樫に代わって司令塔の役割をこなす必要もある。日本代表には同じSFで、シューターでもある渡辺雄太(24=グリズリーズ)、サマーリーグに参加した馬場雄大(23=東京)らがいるため、八村がパスの基点となり、2人を生かせれば、得点力が増すからだ。時には富樫のようなゲームメークもこなしながら、NBAサマーリーグでも見せたように、試合中に味方に指示を出すなど、コート上ではHCの役割も担う。

 ラマスHCから「コート上では魂を揺さぶるようなプレーを見せてほしい」と要求された八村。四刀流の活躍で、日本を決勝トーナメントに導けるか。

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