山田隆道
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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

浅薄報道ばかり…阪神は藤浪の再生に力を尽くしているのか

公開日: 更新日:

 ただ、私はファンのひとりとして藤浪の取り組みを知りたいのだ。制球難の原因がイップスなどのメンタル面なのだとしたら、たとえば球団が精神医学の専門家などを招聘して、何らかの治療プログラムを導入しているだとか、技術に問題があるなら、投手コーチが中心になって改善に尽くしているだとか、そういうプロセスが知りたい。

 しかし、現状ではそのへんの情報が一切わからない。私も私でいろいろな関係者に聞いているのだが、その多くが首をひねっている。みんな、藤浪が懸命に練習していることは見聞きしているのだが、その具体的なプログラムについては曖昧な理解しか示さない。これが日本ハムだったら、もうとっくに「藤浪再生計画」のような特殊プログラムを球団主導で開発して、いわゆるPDCAサイクルにのっとって実行していそうなものだが、阪神はどうなのだろう。

■浅薄報道の違和感

 言わずもがな、阪神は多くのマスコミに注目される球団だ。だから内部情報の漏洩度は球界屈指だ。そんなマスコミ事情を考えると、藤浪の復活に向けた報道がいつまでも浅薄なままであるということに違和感を覚えてしまう。それはすなわち、阪神球団は本当に(記事になるようなことは)何もしていない、今でも「藤浪の自主性」みたいな耳馴染みのいい言葉に任せて放置している、ということではないのか。

 藤浪はいったい何をしているのだろう。どんなふうにもがいているのだろう。周囲は藤浪にどんな手を差し伸べているのだろう。わからない。わからないのが怖いのだ。

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