ラグビーW杯 経済効果4372億円も日本の利益は「雀の涙」

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 今回のラグビーW杯、大会組織委員会が算出した経済波及効果は4372億円。これだけを見れば、開催国・日本はウハウハかと思いきや、日本が実際に得られる利益はごくわずかという。

 チケットは予想に反する売れ行きで、27日現在で販売可能席数の97%が売れ、入場料収入だけで350億円、総収入は630億円以上が見込まれている。その半面、組織委が算出した今大会の総費用は533億円。ラグビーは選手、関係者の人数が多く、大会期間も45日間と長い。5つ星ホテルでの滞在費だけでもバカにならない。全ての支出を合わせると630億円に及ぶというから、行って来いである。広告代理店関係者が言う。

「W杯におけるスポンサー、放送権、グッズの企画・製造・販売並びにライセンス事業は、米IMG社が管理している。日本の取り分は事実上、入場料収入のみ。電通が日本で独自に募ったローカルスポンサー料、放送権料も大部分は国際競技連盟であるワールドラグビーに流れます」

 つまり、日本はチケットが売れなければ赤字だけが残る。だから、組織委と日本ラグビー協会は必死になってチケットを売った。日本ラグビー協会の取り分は、総収益の10%にも満たないといわれている。黒字を達成しても得られるカネは微々たるものだ。元NHKスポーツプロデューサーの杉山茂氏はこう言う。

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