今更札幌って…マラソン前代未聞の開催地変更案で世界の恥

公開日: 更新日:

 改めて話を聞くと、「まだ正式決定ではありませんが、スポーツ医科学の知識のある方々の賢明な判断です。マラソン競歩は暑さと湿度の連動が選手に多大な影響を与える。札幌も8月は暑いが湿度は東京よりかなり低い。マラソンが開催都市を離れるのは正直寂しいですが、選手の体を第一に考えれば当然です」と言った。

 東京五輪は近年の酷暑が懸念され、マラソン、競歩のスタート時間は、午前6時、午前5時30分にそれぞれ繰り上げられた。コース上は遮熱性舗装され、ミストシャワーや大型扇風機も設置される。そんな小手先の対応では選手の体を守れないことをIOCも理解したのだろう。振り返れば、「そもそも無理があった」のは、ロードレースのコース選定だけではない。スポーツライターの工藤健策氏が言う。

「招致の最終プレゼンで安倍首相は、原発事故の汚染水について『アンダーコントロール』と大ボラを吹き、その際にアピールした『コンパクト五輪』は早々に崩壊した。最終日に行われる男子マラソンが開催都市を離れるなんて前代未聞です。開幕まで9カ月しかないのに、本当に札幌にコースを変更できるのか。結局、専門知識のない者たちが東京開催ありきで動いてきたことが、ここにきてまたまた露呈したということです」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性