著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

中島翔哉と前田大然が初の直接対決 ドローの先にあるもの

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中島は試合後のコメント・写真ともにNG

 試合後、取材エリアのミックス・ゾーンで中島に声をかけると「話ができないんです。ごめんなさい」と即座に断られた。

 コンセイソン監督は厳しい報道管制を敷いており、試合後の取材を許していない。中島は10月の日本代表シリーズの際も「ポルトのことは話さないでって言われているので……」と言葉を濁していたが、本人はそれを順守しているのだ。

 前田との2ショット写真くらいはいいだろうと思って尋ねると「それもダメなんです」と申し訳なさそうに言う。「楽しいサッカー」をモットーとする中島には、非常にやりづらそうな環境に映った。

 多彩な攻撃タレントを擁する名門でいかにして地位を勝ち得ていくのか?

 彼はその術を懸命に模索していることだろう。一番の近道はゴールに直結する結果だが、指揮官は攻守のバランスも重んじる。攻撃偏重型の中島は守りの課題克服に努めなければいけない。今が辛抱のしどころだ。

 一方の前田は大一番でフル出場。サントス監督から攻撃の主軸の1人と認められ、一定の立場を確立させている状態だ。

「マリティモに来てからは2トップの一角か右MFに入ってます。現時点でリーグ2得点というのはまだ少ないかな。数字を引き上げるためには、もっと個人で打開できるようにならないといけないですね。ただ、9月にU-22代表に呼ばれた時は、自分から割と仕掛けられるようになっていた。少しずつ成長はしてると思います」と本人も手ごたえを口にする。

 ポルトのような欧州トップチームと対峙する経験は、松本山雅という地方のJクラブに在籍していた彼には大きな意味がある。それを糧に一歩一歩進んでいくしかない。中島よりも比較的恵まれた環境にいる前田には.そのチャンスが転がっている。今後の飛躍を楽しみに待ちたい。

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