著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

現役復帰に挑戦 新庄を魅力的に見せる野球という強い本質

公開日: 更新日:

 これからの新庄の練習の日々と心境の変遷、来年のトライアウト受験の様子、そして、その結果に至るまでの全行程は、現代なら簡単にカメラで密着撮影できる。結果が合格・不合格どちらに終わったとしても、それはそれで無難に着地できる。新庄本人が真剣に練習をやりさえすれば、十分に魅力的な見せ物になるだろう。

 私が思うに新庄の特異性とは、自分がこういう宣言をすれば世間の注目を浴びるということをわかっていて、そのうえで自分から臆面もなく発信できるところだ。要するに、自己評価の高さと含羞の欠如。個人的にはどちらも苦手なキャラクターなのだが、その一方で古い虎党としては、新庄の宣言を喜んでいる気持ちもあったりする。

 なにしろ、あの新庄が野球にかかわるのだ。あの驚異的な身体能力が47歳になった今はどうなっているのか、そこが明らかになるのだ。

 そもそも引退後の新庄は野球と距離を置き、怪しいタレントみたいになっていた。だから、先述のキャラクターばかりが目につき、本質(驚異的な身体能力)が見えにくくなっていた。正直、もしも新庄が普通のタレントだったら、色黒マッチョで目立ちたがり屋の中年男というだけで芸能界的にはそこまで特異でもとっぴでもないだろう。なんだかB級感も漂う。

 しかし、新庄には野球という強い本質があるのだ。だからこそ、あのキャラクターも魅力的に見えたのだ。47歳になった新庄のプレー、そこは楽しみでならない。本来の新庄が戻ってきた。

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