強豪校元監督が有望生をライバル校にねじ込もうとした魂胆

公開日: 更新日:

 しかし、いいことばかりではない。Aが指揮を執る強豪校にも、付属中学に軟式野球部があり、そこにスーパーエースがいた。Aは当然、高校への内部進学を心待ちにしていたが、別の強豪校に引き抜かれてしまったから大変である。もちろん激怒したものの、引き抜いた強豪校の監督にはこう言われたという。

「決めるのは本人ですから」

 まさに因果応報である。

 別の強豪校のB監督は、県内の付属中学にいたスーパー中学生の実力を警戒。本来なら引き抜きたいが、県内のライバル校だけにそうもいかない。そのまま内部進学されれば、間違いなく難敵になるため、自身の人脈を駆使して県外の有力校の監督に、いかにいい選手かを吹聴。必死に勧誘を勧めたそうだ。

 数年前、強豪校の監督をクビにされたC監督は、密かに返り咲きを狙っている。あろうことか、有望な中学生を自分がいた学校ではなく、県内のライバル校にねじ込もうとしたのだ。後任の教え子は成績が悪ければ解任される。再び自分にお鉢が回ってくるかもしれないからだ。

 野球人口の減少により、レベルが落ちる中学生にも何十校が群がり、ドロドロの争奪戦を繰り広げている。

 (おわり)

【連載】醜聞まみれ 高校野球の虚像

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  5. 5

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  1. 6

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 7

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  3. 8

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」