著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

2010年代の阪神を回顧…メッセと能見で勝ち、そして負けた

公開日: 更新日:

 そんなメッセンジャーが君臨した2010年代の阪神を振り返ってみると、もう一人の先発投手の存在が大きく浮かび上がってくる。この10年間でメッセンジャーに次ぐ3度の開幕投手に抜擢されるなど、左のエースとしてフル回転してきた能見篤史。2009年に30歳という遅咲きで先発ローテに定着して以降、18年のリリーフ転向までの9年間で規定投球回数に達すること7回(うち200回以上1回)、2ケタ勝利5回、最多奪三振1回。防御率も常に2~3点台と安定しており、メッセンジャーとともに阪神投手陣を長く支えてきた。41歳になった今の能見は大ベテランのリリーフ左腕だが、30代のほとんどを先発ローテの柱として過ごしてきた功績は極めて大きい。

■2人で201勝177負敗

 このメッセンジャーと能見の2人で、昨年まで積み上げてきた通算勝利数は201勝(メッセ98勝、能見103勝)。まさに左右の両輪。2人とも大きな故障が少なく、長いイニングを淡々と消化するのが特徴だった。派手さという意味ではクローザーの藤川球児は確かに阪神投手陣では目立つ存在だが、MLB移籍による空白期間がある藤川とちがって、メッセンジャーと能見は2010年代の阪神から欠けた時期がほとんどなかった。

 おもしろいのは、2人とも2ケタ敗戦を4回記録するなど、よく負ける投手でもあったということだ。能見に至っては14~16年に3年連続でリーグ最多敗戦。メッセと能見で勝ち、メッセと能見で負ける。それが2010年代の阪神だったと言えるだろう。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    二階堂ふみと電撃婚したカズレーザーの超個性派言行録…「頑張らない」をモットーに年間200冊を読破

  2. 2

    参政党・梅村みずほ議員の“怖すぎる”言論弾圧…「西麻布の母」名乗るX匿名アカに訴訟チラつかせ口封じ

  3. 3

    キンプリ永瀬廉が大阪学芸高から日出高校に転校することになった家庭事情 大学は明治学院に進学

  4. 4

    さらなる地獄だったあの日々、痛みを訴えた脇の下のビー玉サイズのシコリをギュッと握りつぶされて…

  5. 5

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  1. 6

    山本舞香が義兄Takaとイチャつき写真公開で物議…炎上商法かそれとも?過去には"ブラコン"堂々公言

  2. 7

    萩生田光一氏に問われる「出処進退」のブーメラン…自民裏金事件で政策秘書が略式起訴「罰金30万円」

  3. 8

    二階堂ふみ&カズレーザー電撃婚で浮上したナゾ…「翔んで埼玉」と屈指の進学校・熊谷高校の関係は?

  4. 9

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 10

    日本ハム中田翔「暴力事件」一部始終とその深層 後輩投手の顔面にこうして拳を振り上げた