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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

プロ野球のない春に2002年“井川1失点完投”TG開幕戦を想う

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスの感染拡大により、プロ野球の開幕日が再び延期されることとなった。しかも現状では新たな開幕日も決まっていない。すべてはコロナの状況推移次第といったところだ。

 プロ野球の開幕といえば、虎党の私にとっては阪神戦の開幕を意味しているわけで、それは胸を高鳴らせて待ち焦がれる球春というより、なんとなく過ぎてゆく日常の景色という感覚だった。これはおそらく、私が思春期および青年期を過ごした1980年代後半から00年代初頭の阪神が万年最下位のダメ虎と呼ばれた暗黒時代で、とりわけ開幕戦は91年から01年まで11連敗という惨状だったから、自然に春の虎に期待しない人格が形成されたのだろう。

■トラウマを払拭してくれた恩人

 そんな背景があるからこそ、私にとって最高の開幕戦は02年の阪神VS巨人なのである。前年までの阪神は4年連続最下位、9年連続Bクラス、開幕戦にいたっては先述の通り11連敗中だったから、この開幕戦もまったく期待していなかったのだが、いざ試合が始まると先発した若き左腕エース・井川慶が巨人相手に1失点完投勝利(3―1)を挙げたのだ。

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