原巨人が貫く「用心・独裁・強欲」敵なしリーグV2の舞台裏

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 リーグ連覇を飾った巨人・原辰徳監督(62)が30日、本拠地・東京ドームの宙を9度舞った。

 タレント揃いの戦力に若手が融合。シーズン中のトレードも効果的だったが、指揮官が先頭に立ったコロナ対策も勝因のひとつだ。

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 開幕が約3カ月遅れた今季、巨人は5月下旬に6月19日の開幕に向け、他球団に先駆けて一軍から三軍までの全選手、原監督ら首脳陣、職員などの総勢約220人に対し、新型コロナウイルスの感染歴を調べる抗体検査を実施すると発表した。

「われわれ個人がコロナに感染しない。そういうことが、ひいては日本を助けることになる。抗体検査を積極的に取り入れて信頼というものから入る」とコメントした原監督だが、実は「安心して開幕を迎えるため」と今村球団社長に直談判して実現したもの。その時点ですでに旧知の医師から検査キットを入手する手回しの良さで、都内の大学医学部の研究に参加する形で行うところまで話をまとめたという。

 すると4人が陽性。その4人がPCR検査を受けると、よりによって大黒柱の坂本、正捕手の大城の主力2人に陽性反応が出たため、すぐに隔離となった。原監督は「余計なことを言わなければよかった……」と思ったに違いない。坂本は開幕には間に合ったものの、調整不足は否めず、案の定、調子が上がってこない。原監督はこの頃、坂本が10日間、病院で隔離されたことについて、「他人に感染させる可能性はないだろう」と周囲に恨み節を漏らすことがあったという。

■取材陣にも“暗”にPCR検査受けて

「開幕前後、原監督は自身を取材する報道陣に対しても、“暗”にPCR検査を受けるようほのめかした。どの記者も原監督に近寄らないと仕事にならない。みんな何万円もするPCR検査を自腹(会社負担の社も)で受けていました」(マスコミ関係者)

 そんな原監督自身も、いつでもどこでも検査ができるよう、簡易的な「抗原・抗体キット」を常に携帯。「すぐに結果が分かるんだ」と胸を張っているそうだから、潔癖というか用心深いというか――。いずれにしろ、複数の陽性者を出して批判にさらされた阪神とは、コロナ対策という点でも圧勝だった。

■「言うことを聞け」

 巨人は4月1日付で異例の人事を発表した。

 スカウト部門のトップだった長谷川スカウト部長が編成本部付部長に異動となり、今季から巡回投手コーチとなっていた水野氏がスカウト兼務になった。さらに、昨年まで二軍監督を務めていた高田ファームディレクターもスカウト部門に加わった。

 長谷川氏は東海大相模高から東海大に進んだ原監督の直系の後輩である。18年オフにスカウト部長に抜擢したのも復帰した原監督だった。

「そんな原派だったのに、昨年のドラフト1位の堀田(青森山田高)が1月の合同自主トレ中に右肘の炎症を発症。いきなりトミー・ジョン手術を受ける羽目になった。即戦力のはずだった同2位の太田(JR東日本)もコンディション不良で出遅れ、いまだに一軍登板ゼロ。怒った原監督による“更迭人事”ともっぱらです」(巨人OB)

 困ったのが、長谷川部長に代わって、事実上のスカウトのトップに立ったスカウト部次長だった。さるチーム関係者がこう言う。

「このスカウト部次長はまだ44歳と若い元スポーツ紙記者。水野、高田両氏をはじめ、選手あがりで海千山千の年上が多い他のスカウトを取りまとめることができるのかと、球団内でも少なからず不安視する声があった。すると、原監督がこの2人をはじめとしたスカウト部全体に『次長の言うことを聞くように』とお触れを出したんです。立場上『あっち行って』『こっち行って』と言わざるを得ない次長はかなり助かったでしょう。それから統制が取れるようになったそうです」

 編成面の全権も担う原監督。鶴の一声ならぬ、“独裁者”の一言は、他の何より効くようだ。

絶対的守護神の調査

 仰天補強情報がある。

 巨人が最速161キロの剛腕、中日ライデル・マルティネス(24)を調査するというものだ。

 キューバ出身のこの右腕は今季、抑えに定着して40試合に登板。防御率1・13で2勝0敗21セーブの成績を残している。現在は体幹のコンディショニング不良のため、登録を抹消されているものの、それまで阪神スアレスとトップで並び、セーブ王を争っていた絶対的守護神である。

 ただし、中日はキューバ政府と2年契約を結んでおり、まだ1年目。来季も中日に残留となるのが普通だが、「そう簡単ではない」と中南米の野球事情に詳しい球界関係者がこう指摘する。

「キューバ政府とのパイプ役としてリナレスが中日の巡回コーチを務めているが、はっきり言って金銭面次第でどう転ぶか分からないのが実情。契約が残っていても安心できないところがある。巨人が興味を示しているという情報があります。かつてセペダがいたように、巨人もキューバとのパイプがありますから」

 もし絶対的なクローザーが確保できれば、抑えとしては安定感がいまひとつのデラロサを本職の先発に回すことができる。

 中日OBによれば、2017年に中日で本塁打王を獲得し、その年のオフに巨人へ移籍したゲレーロ(亡命した元キューバ人)はこう漏らしたという。

「キューバで巨人の影響力は凄いんだ。ミスター・クボ(久保元球団社長=現球団顧問)は最高指導者のラウル・カストロ(国家評議会議長)とも対等に会談できるそうなんだ。だからオレは巨人に入るんだ」

 巨人は原監督の強い意向で、昨季も中日に在籍していた159キロ左腕のジョエリー・ロドリゲスの獲得を狙ったが、米レンジャーズとの争奪戦に敗れている。

 中日は現在、このR・マルティネスら3選手をキューバ政府から預かっている。それでも中日は巨人の影におびえているようだ。

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