IOCバッハ氏が東京五輪「43%」でも公平性を唱え続ける愚

公開日: 更新日:

 今年3月時点で43%、そして現在も43%……。これ、何の数字かといえば、来年開催予定の東京五輪で、いまだ固まっていない出場枠の割合だ。

 各競技における出場選手、出場国の半数強は決まっているものの、残り半分は中ぶらりん。かといって、今後、この数字が劇的に改善される見込みも薄い。

 全世界を襲う新型コロナウイルスの影響で、ほとんどの競技が五輪予選中断、延期に追い込まれている。もちろん、再開のメドは立っていない。来春以降に予選を延期した競技も多いが、世界のコロナ感染者は増える一方。現時点で約6100万人。死者も約143万人だ。

 都市を封鎖する「ロックダウン」の動きも世界各地で広がっている。イングランドは今年だけで2度のロックダウンを実施。フランス全土やカナダ・トロントは現在も封鎖中で、スペインは来年5月まで緊急事態宣言の延長が決定された。とてもじゃないが、「五輪が近いから、そろそろ予選を……」なんて言える状況にない。

 出場枠が決まらなければ、過去の成績などを参考に決めるしかない。IOCのバッハ会長は「公平性を確保し、残る枠を考える必要がある」と話しているが、どうやっても不公平感は出るだろう。すでに出場が決まっている選手は準備に専念できるにしても、多くの選手はいまだ予選開催の見通しが立たずにやきもきさせられている。調整に大きな差が出るのも避けられない。

 誰かバッハ会長に「ない袖は振れない」という日本のことわざを教えてやった方がいい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々