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澤章東京都環境公社前理事長

1958年、長崎生まれ。一橋大学経済学部卒、1986年、東京都庁入都。総務局人事部人事課長、知事本局計画調整部長、中央卸売市場次長、選挙管理委員会事務局長などを歴任。(公)東京都環境公社前理事長。2020年に『築地と豊洲「市場移転問題」という名のブラックボックスを開封する』(都政新報社)を上梓。YouTubeチャンネル"都庁OB澤章"を開設。最新作に「ハダカの東京都庁」(文藝春秋)、「自治体係長のきほん 係長スイッチ」(公職研)

東京五輪最大のリスクは7月13日開村「選手村クラスター」

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 だが、こんな説明を額面通りに受け止めるのは危険である。

 選手村は一つの町レベルの規模である。用意されたベッド数は1万8000。もちろん複数名による相部屋だ。選手村と競技場の間はバブルで包み込めても、選手村の中ではそうはいかない。いくらダイニングやカフェにアクリル板を設置したとしても、隙はそこら中に発生する。おまけに選手村では夜の営みも盛んだという。国際交流を規制する手立てはないのだ。

 仮定の話だが、選手村で感染者が出た場合、濃厚接触者の範囲をどうするのか。ウガンダ選手団の事例のように、同じ航空機に搭乗していてもセーフという不可解な五輪特例がまかり通るのではないか。感染範囲を小さくして感染拡大を矮小化して見せても、ウイルスは勝手に広がっていくのである。

 選手村でクラスターが発生したら、大会自体が中止に追い込まれるだろう。否、オリンピックそのものの意義が瓦解しかねない。

 つまり、「東京2020大会」最大最悪のリスクは、選手村クラスターだと言わなければならないのだ。国や組織委員会、そして東京都にリスクへの供えと覚悟は果たしてあるのか。後味の悪い大会にならないことを願うばかりである。

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