インド五輪委が組織委にケチ 居丈高増長の陰にIOCの傲慢

公開日: 更新日:

「五輪のため」と言えば、何でも通ると思っているようだ。

 19日、突如として東京五輪・パラ組織委員会に非難の矛先を向けたのが、インドオリンピック委員会(IOA)だ。

 新型コロナの変異株のひとつである通称“インド株”。インド国内の感染者は減少しつつあるとはいえ、それでも1日平均6万人以上。イギリスでもインド株が猛威を振るい、6月17日には新規感染者が今年2月以来となる1万人を数えたほどだ。

 そうした事情もあり、東京五輪組織委員会は感染対策を強化。インドをはじめ、変異株が猛威を振るう国の選手は、入国後3日間、練習試合や外部との接触を禁止する方針だ。

 これにIOAは「差別だ!」と激怒。「選手が入国できるのは5日前。しかも3日間が無駄になる。これでは調整ができず、不公平だ」と、拒否反応を示している。IOAは5月、東京五輪の取り組みを「素晴らしい。組織委員会を支援するため、全力を尽くしたい」と絶賛していたが、とんだ手のひら返しである。

 そもそも、感染拡大を防ぐための水際対策は日本政府の方針でもある。中でもインド、パキスタン、ネパール、モルディブ、バングラデシュ、スリランカ、アフガニスタンの7カ国は、「B.1.617系統の変異株(デルタ株等)指定国・地域のうち、特に高い懸念があると判断された国・地域」(外務省)という位置づけ。他国以上に厳しい検疫体制が取られている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」