【サッカー】久保建英めぐり欧州クラブで争奪戦 好条件移籍には「ゴール決めて銅メダル」がマスト

公開日: 更新日:

 日本代表が1968年メキシコ五輪以来、53年ぶりのメダルをかけて準決勝(3日)に臨み、強豪スペイン相手に0―0で迎えた延長後半10分、ゴールを奪われて史上初の五輪決勝進出を逃した。

【写真】この記事の関連写真を見る(14枚)

 試合を通してスペインに主導権を握られた。

 高い個人技でボールを回され、日本は<攻撃の二枚看板>であるMF久保建英(20)、堂安が局面を打開しようとするものの、シュートの形もつくれない時間帯が続く。延長に入るとスペイン選手も疲労から足が止まったが、延長後半も残り5分となってスペインが右サイドから何度も仕掛け、レアル・マドリード所属のFWアセンシオが、左足でゴール左にコントロールシュート。それまで好セーブを連発していたGK谷が伸ばした右手の先をかすめるようにしてサイドネットに突き刺さった。

「両チームとも<PK戦突入も致し方なし>という雰囲気でしたが、あの時間帯、あの局面で<ここはゴールチャンス>と判断して攻勢を強めたスペインはさすがでした。もちろんアセンシオの技ありゴールも見事だった。日本は我慢を重ねて粘ったが、<スペインと日本とのサッカーの総合力の違い>が、試合結果となって表れたと言わざるを得ない」(元サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏)

 そんな中、グループリーグ3試合連続ゴールなど、攻撃陣の主軸である久保の存在感が際立っている。

 スペイン戦でも鋭いドリブル突破で相手選手を何度も慌てさせ、遠めからでも果敢にシュートを放つなど孤軍奮闘。

 そんな久保のパフォーマンスについて、スペインの大手メディア「マルカ」も「どんなチームが相手でも勝てるスター性を持っている」と高く評価。さらに「所属元のレアル・マドリードも(五輪での活躍に)注目している」と続けた。

 久保は2019年6月にRマドリードと契約した後、ここ2シーズンはマジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェとスペインの中堅以下のクラブを渡り歩いてきた。来シーズンは、どのクラブでプレーすることになるか?

■レアル・ソシエダがオファー

 スペインには「3人の外国人枠」があるので列強の大物選手ぞろいのRマドリードで出番を得るのは難しく、地元で報じられているように「4度目のレンタル移籍となる公算が大きい」だろう。

 現地最新情報では「レアル・ソシエダがオファーを提示した」。

 所属するヤヌザイら主力MF陣の放出が噂されており、その穴埋めとして久保に白羽の矢が立ったという。

「Rソシエダにはオヤルサバル、ダビド・シルバといった実力派MFも控えているが、35歳のシルバは年齢的な不安を抱え、日本戦にもフル出場したオヤルサバルは、上位クラブから引き抜かれるという情報も流れている。トップ下、両サイドの攻撃的MFがこなせる久保にとって、Rソシエダ行きはグッドチョイスと言えるでしょう」(サッカー関係者)

メダル獲得で市場価値アップ

 3位決定戦に回ったとはいえ、得点ランク3位タイの久保が複数ゴールを決め、メダル獲得の原動力となれば評価アップとなり、スペイン以外の金満クラブから引き抜かれることもあり得る。

 実際「フランスのパリSGが移籍金60億円を用意して久保の完全移籍をもくろんでいる」と現地メディアも報じている。

 パリSGがビッグオファーを出せば、刺激された英プレミアやイタリアの強豪クラブも触手を伸ばし、久保争奪戦に発展する可能性もある。

 元ワールドサッカーグラフィック編集長の中山淳氏がこう言う。

「スペインの新シーズン開幕は8月13日。フランスは五輪決勝翌日の8日に開幕します。チームに早く馴染むためにも、住み慣れたスペイン以外に移籍先を求めるのは非現実的です。古巣のマジョルカが1部に復帰しますが、まずはレギュラーを張れるクラブで好プレーを見せ、着実にステップアップしていくという選択がベターでしょう。移籍マーケットでの好材料といえば、久保が五輪でゴールを積み重ねていること。さらにゴール数を伸ばせば<決定力の高いアタッカー>という部分が評価され、市場価格もアップするでしょう」

■3位決定戦は6日午後8時~

 試合後、久保は「(スペインは)強かった。出すことは全部やって負けた。涙も出てこない」と悔しさを押し殺してコメント。メキシコとの3位決定戦は6日午後8時にキックオフ。久保にとっては、より良い移籍先を探すためにも、ゴールを決めて銅メダルを奪い取るしかないだろう。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • サッカーのアクセスランキング

  1. 1

    森保Jは海外からどう見られているのか…W杯のライバル国、ブックメーカーによる意外な評価

  2. 2

    【オランダ】195cmCBファンダイクが大きな“壁”に…タレント勢揃いで「地盤沈下」は今や昔

  3. 3

    FIFA会長がトランプ大統領に贈った「平和賞」は両者の癒着の象徴…元FIFA職員が史上最悪のW杯抽選会を一刀両断

  4. 4

    【チュニジア】アフリカ予選10戦無失点 堅守が光る「カルタゴの鷲」は日本が苦手とするチーム

  5. 5

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  1. 6

    【ポーランド&ウクライナ】1次リーグF組の最終枠は現時点で未定も「ウクライナが有力」と専門家

  2. 7

    Jリーグ得点ランク上位FWが日本代表入りできないワケ…「森保監督の確固たるポリシー」が背景に

  3. 8

    W杯組み合わせに森保監督「非常に厳しい」…GL初戦はオランダと激突、2位通過が現実ラインか

  4. 9

    W杯初16強の日韓大会で山本昌邦は「トルシエと選手とのフィルター役をこなした」

  5. 10

    元日本代表DF冨安健洋がアヤックスと契約合意報道…森保Jに朗報も「ガラスの肉体」の期待と不安

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった