山田隆道
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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

阪神らしさにあふれた親愛なる4番。大山の確変…後半戦は早くも3本塁打

公開日: 更新日:

 だけど、このころから大山には、いったん調子が上向くと爆発的に固め打ちするという、確変打者みたいなところがあった。1年目はクライマックスシリーズで13打数7安打と打ちまくり、2年目の9月には月間9本塁打と、まさに確変の大爆発。その他、1試合3本塁打や1試合6安打を記録したこともあり、そのたびに私は大山に大器の片鱗を感じた。

 そして昨年、28本塁打でようやくブレークしたかと思えば、今年前半戦の不振である。なんとも浮き沈みの激しい、落ち着きのない打者といった感じで、大山を見ているといつもヤキモキさせられる。佐藤のような誰もが認める至宝というわけではなく、多くの雑音や批判に苦しみながら、少しずつ成長してきた泥くさい打者だからこそ、そこが妙に阪神の選手らしくて、だから我が子のような親愛の情を抱いてしまうのかもしれない。

 大山はまだまだ「頼れる4番」ではないのかもしれない。だけど、誰よりもホームランを打つとうれしい、親愛なる4番ではある。後半戦に入って確変打者の本領発揮となるなら、夏の終わりが楽しみでならない。

■ただいま絶賛発売中の「阪神タイガースまさか優勝!?」特別号(350円)にて、【阪神版 悪魔のプロ野球辞典】掲載。山田隆道氏が独自の目線でプロ野球語録を解説しています。

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