野球「金」甲斐拓也<2>キャッチャー冥利に尽きた日ハム・伊藤大海の度胸

公開日: 更新日:

「そうですね。まず、代表メンバーが事前合宿に全員合流して、練習や練習試合の中で投手陣のボールを受けてから話をした。その投手の自信のあるボール、どう試合を組み立てたいかを聞いた上で、その強みをいかにして生かせられるか、と。先発なら試合前に話せるけど、中継ぎはどんな場面で登板するかわからない。だからマウンドに行って短く話すこともあったし、試合中のブルペンへの電話も主に僕の意図を伝えていました」

 そんな甲斐が「こいつは本当に凄い」と舌を巻いたのが、日本ハムのルーキー、伊藤大海(23)だ。

 伊藤といえば、準決勝の韓国戦で頻繁にロジンバッグを使い、韓国側から「白く煙ってボールが見えなくなる」とクレームをつけられながら、それでも構わず使い続けた。

「まあ、あれは伊藤が汗っかきだからじゃないですか。それよりも僕が驚いたのが、伊藤は僕の出したサインに一度も首を振ってないんですよ。中でも予選リーグ2戦目のメキシコ戦、3番打者のメネセスへの配球です。伊藤が登板する前、先発の森下(広島)が彼に2安打された。打たれたのは2球とも外寄りのボール。では3打席目はどうするか。4打席目のことも考えると、何かひとつ、こっちが攻めなきゃいけない場面でした」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因