阪神・矢野監督ああ悩ましき…佐藤輝の早期一軍再昇格とベテラン糸井の去就問題

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 何とか接戦を制した。

 21日の中日戦は、同点で迎えた九回に木浪の犠飛で勝ち越し、そのまま逃げ切った。今季、2試合の対戦で1点も取れなかった柳から2点を奪ったものの、打線は6安打3点。前日までの10試合の平均得点は2・3点と貧打に悩んでいる。

 そんな中、二軍調整中の怪物新人・佐藤輝明(22=近大)が打線復活の起爆剤として期待されている。

 35打席連続無安打の大スランプで去る10日にプロ初の二軍降格。その際、井上ヘッドコーチは最短10日での一軍復帰については否定的で、特別扱いをせず、他選手との競争を強調した。ファームでは19日の中日戦で3打席連続適時打をマークするなど徐々に調子を上げてきたものの、降格から10日が経過した去る20日に矢野監督は、「今みたいに状態を上げていってもらえたら」と最短での一軍復帰を見送った。

 しかし、肝心の一軍は打線がつながらず、佐藤輝の存在の大きさが改めてクローズアップされる格好になった。

「しかも佐藤には、かねて大目標にしてきた新人王のタイトルがかかっている。残り試合も、あと28試合。広島の抑え・栗林らライバルが多いだけに、チーム内外で早く一軍に上げてやるべきとの声が出ている」とは阪神OBだ。

今季限りで構想外も

 そんな経緯もあって、一軍再昇格の機運が高まっているのだが、くしくも佐藤輝の動向は、大学の先輩で、同じ外野手である糸井嘉男(40)の去就にリンクする。

「昨年で4年契約が満了し、2.15億円ダウンの年俸1.85億円の1年契約で残留した。ある程度の結果を残せればまだしも、今季は打率.221、3本塁打。阪神は近年、鳥谷、藤川、福留とベテランの高給取りを切っているうえに、今季も野手ではチーム2番目の高齢である俊介(34)や、日本人投手では中田賢一(39)、岩田稔(37)に次ぐベテランの桑原謙太朗(35)の引退が決定。チームの若返りを図る中、岩田、中田に加え、糸井も構想外になる可能性があります」(前出のOB)

 糸井は佐藤輝が降格して以降、スタメン出場する機会が増えた。矢野監督も優勝争いのさなかに糸井を起用しているくらいだから、レギュラーは無理でも「4、5番手の外野手」として期待していることは間違いない。かといって他の外野手との兼ね合いや現状の成績では、来季も……というには決め手に欠けるのも確かだ。佐藤輝が昇格すれば糸井の出番は減り、見極めが難しくなるだけに頭が痛かろう。

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