ヤクルト村上宗隆は日ハム清宮の“外れ1位”だった! なぜ2人に圧倒的な差がついた

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 大差がついた。

 19日にあの清原和博を抜き、史上最年少で通算100本塁打に到達したヤクルト村上宗隆(21)が入団した2018年、ドラフトの目玉は日本ハム清宮幸太郎(22)だった。史上最多の高校通算111本塁打を記録した「早実の怪物」に、これも高校生史上最多となる7球団が競合。九州学院で通算52本塁打を放ち「肥後のベーブ・ルース」と言われた村上は、清宮の抽選を外したヤクルトへ外れ1位での入団だった。

 高校時代の実績、注目度に雲泥の差があった2人はしかし、プロ入り後に立場が逆転。4年目を迎えた今季、優勝争いを演じるヤクルトの4番に君臨する村上とは対照的に、清宮は一度も一軍出場がないままシーズンを終えようとしている。

■コーチにキレた気の強さ

 2人を知る球界関係者がこう言う。

「素質という点では遜色のなかった村上と清宮になぜ、ここまで差がついたのか。理由はいろいろあるでしょうが、ひとつには性格がある。野球に取り組む姿勢と言ってもいい。村上の1年目、二軍で今もチーム内で語り草になっている“ノック事件”があった。真夏に2時間のノックを受けた村上は、途中であさっての方向に送球したり、カゴにボールを投げつけたり、明らかに反抗的な態度をとった揚げ句、最後まで食らいつきながらも『なんでこんな理不尽な練習をしなくちゃいけないんですか!』とコーチに食ってかかったのです。夏場にあえて追い込むことで身につく体力、精神力があると諭され、コーチに謝罪したそうですが、そういう気の強さというか芯の強さは決してマイナスじゃない。他方、清宮は素直でいい子すぎるという評価がずっと変わっていない。やれと言われたことはやるが、それ以上はやらない。自己主張や貪欲さがなく、のんびりとしている。そんな性格の差も大きい」

監督の覚悟と育成方針

 球団の育成方針も対照的だった。

 ヤクルトは「将来の主砲候補」と見定め、1年目は二軍で場数を踏ませた。体力と守備力、走力の強化と並行し、チーム最多の98試合427打席を与え、「三振はOK」の方針を徹底。84三振を喫したが、「フルスイングをしよう」と長所を伸ばすことに徹した。

「一軍で36本塁打をマークしてブレークした2年目の19年もリーグ最多の184三振、守備では一塁と三塁で15失策を記録しましたが、当時の小川淳司監督(現GM)が全143試合(スタメン142試合)に起用。村上を育てるんだという確固たる意志がまったくブレなかった。一方、日本ハムは本来、選手育成に関しては12球団トップクラスのシステムを構築していたのに、清宮に関しては一貫しなかった。栗山英樹監督が手元に置いておくことを望んだこともあって、1年目から一軍で53試合に起用。高卒新人歴代9位の7本塁打を打ちましたが、結果が出ないと我慢できずにスタメン落ちや二軍落ちと中途半端だった。1年目に二軍でしっかりと体力や守備の土台をつくっておけば、毎年のように故障で苦しむこともなかったかもしれません」(前出の関係者)

 その清宮、他球団編成担当者によれば、「今年は故障がないにもかかわらず、一度も一軍から声がかからず、本人も忸怩たる思いがあるのだと思う。二軍でバットを短く持つなど、ようやく、なりふり構わず、という姿勢を見せるようにはなってきた」という。とてつもない差が開いた村上の背中を、必死に追うしか道はない。

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