世界卓球・ピンポン外交50周年で米中混合ペア結成…「アスリートファースト」が潰される

公開日: 更新日:

 開催中の世界卓球(米ヒューストン)で、いわゆる米中の「ピンポン外交」から50年を記念し、混合ダブルスに両国の選手がペアを組んだ2チームが出場。緊迫する2国間のタッグが波紋を呼んでいる。

「ピンポン外交」という言葉が生まれたのは1971年。世界選手権の開催地の名古屋だった。東西冷戦下、日本卓球協会が中国に働きかけたことで6年ぶりに出場が実現。さらに、中国チームのバスに1人の米国選手が間違えて乗った際、中国の選手が声をかけたことがニュースとなり、のちの国交樹立に大きく寄与したといわれている。

 今回、50年ぶりの“国交回復”が実現した背景には、来年2月に控える冬季北京五輪、2028年ロス五輪の存在がある。米国は手を差し伸べるそぶりを見せる一方、中国によるウイグルや香港を巡る人権問題から、選手は五輪に派遣しても政府関係者は参加しない「外交的ボイコット」を検討。英国や豪州、日本が続く可能性もある。

 スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏は「こういうクローズアップのされ方自体がオリンピックの歪みを映し出していることに他ならない」と、こう続ける。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ