春日良一
著者のコラム一覧
春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。

(5)高梨沙羅のスーツ違反騒動で矢面に立たない伊東団長、原田総監督の会見を聞いて愕然

公開日: 更新日:

 北京冬季五輪のスキージャンプ混合団体で事件は起きた。日本期待の高梨沙羅選手が103メートルの大ジャンプを見せたが、スーツの規定違反で失格するという波乱。ほかにも、強豪3カ国の女子4選手が失格になり、競技が台無しとなった。

 国際スキー連盟(FIS)の検査体制があまりにもアナログであることが心配されてきたが、改善されていなかった結果といえる。4年に1度のチャンスにかけてきた選手の努力が未熟な検査によって奪われたとしたら大問題であり、男女平等政策を推進する国際オリンピック委員会(IOC)の目玉種目で起きたのだから、IOCは猛省しFISに厳しく改革を促すべきだ。

 一方で日本代表選手団本部を何度も経験してきた私にはもうひとつの問題が見える。それは選手団長の存在である。本件について会見で伊東秀仁団長が「今すぐこのルールに対して我々が抗議するということではない。今後この規定に関しては……改善を求めていく可能性はある」と述べたと聞いて愕然とした。

 確かに以前は日本選手団の団長は名誉職で実務は本部員の仕事だった。しかし、対外的には五輪に関わる全てが団長の判断と行動を求める。そこで現場での即断即決のため、団長の許可を得、私は団長代行に自らをエントリーして動いた。そうしないと対IOC、対組織委との選手団業務が進まない。全ては選手が最善を尽くせるように働くためだ。今は働く選手団長が定着したものと思っていた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

  2. 2
    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

  3. 3
    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

  4. 4
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 5
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  1. 6
    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

  2. 7
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産み落とされた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産み落とされた

  3. 8
    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

  4. 9
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  5. 10
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗