著者のコラム一覧
春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

(2)バッハ会長はプーチン大統領に甘すぎた 「政治的中立」を「矛」として使うべきだった

公開日: 更新日:

 北京冬季五輪が「一葉知秋」の火を消して平和の祭典の幕を閉じたら、第2幕は、途端に戦争が始まるというストーリー展開。どこかで見た。そうだ! 2014年のソチ冬季五輪。主演は2作品ともプーチン大統領

 柔道家でありスポーツ愛好家である彼に、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は甘すぎた。

 スポーツで世界平和を実現できると考えるのは、それが公平なルールのもとに政治や宗教あらゆる差別を超えて人と人とが集える場となるからだ。そのためにIOCは政治的に中立な立場を取る。中国が新疆ウイグル自治区の人権問題で国際社会から非難されることにも関与しない。またそれに異を唱えて、北京冬季五輪に米国が外交使節団を派遣しないと声明を出しても関与しない。ひたすら4年に1度の「武器を置いての戦い」という休戦思想の実践に集中する。その中で至高のパフォーマンスを繰り広げる選手が生み出す物語によって人類の平和への希求を持続する。

「近年の政治的な出来事は、われわれが影響する範囲内にはない。われわれは五輪において責任がある。『五輪には一国の政治システムを変える力がある』という期待は、大げさな誇張だ」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・田中将大「巨大不良債権化」という現実…阿部監督の“ちぐはぐ指令”に二軍首脳陣から大ヒンシュク

  2. 2

    ヘイトスピーチの見本市と化した参院選の異様…横行する排外主義にアムネスティが警鐘

  3. 3

    国民民主党「新人都議」に渦巻く“スピリチュアル疑惑”…またも露呈した候補者選定のユルユルぶり

  4. 4

    巨人・田中将大を復活させる「使い方」…先発ローテの6番目、若手と併用なんてもってのほか

  5. 5

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  1. 6

    高橋真麻がフジ港浩一前社長、大多亮元専務を擁護の赤っ恥…容姿端麗な女性集めた“港会”の実態知らず?

  2. 7

    参院選「自民裏金議員15人」で当確5人だけの衝撃情勢…比例は組織票があっても狭き門

  3. 8

    ドジャースが欲しがる投手・大谷翔平の「ケツ拭き要員」…リリーフ陣の負担量はメジャー最悪

  4. 9

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  5. 10

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?