著者のコラム一覧
春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

(6)五輪標語を変えたIOCバッハ会長はますます難しい舵取りを迫られる

公開日: 更新日:

 オリンピックのモットーが「より速く、より高く、より強く」だと知っている人は意外に少ないかもしれない。

 この標語は、国際オリンピック委員会(IOC)創始者のクーベルタン男爵が提案し採用された。ラテン語が原語で、比較級であることが重要である。そこに五輪精神の神髄がある。

 最上級によって措定されたゴールを求めるのではなく、自らのより一歩前を目指す意志を推奨する言葉となる。終わりなきゴールに向けて切磋琢磨する意味を示すので、それによって勝利至上主義も超越する。競い合った選手同士が互いの努力を称え合うことができ、国の代表を超える瞬間が開ける。

■「共に」の意味

 まさかオリンピック運動を支えてきた標語が変わる日が来るとは。東京五輪2020時のIOC総会でオリンピック憲章第10条「オリンピックのモットーである『より速く、より高く、より強く─共に』はオリンピックムーブメントの大志を表現している。もともとはラテン語のモットーであり、原語では今後『Citius,Altius,Fortius-Communiter』とする」が採択された。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ