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佐々木裕介フットボールツーリズム アドバイザー

1977年生まれ、東京都世田谷区出身。旅行事業を営みながらフリーランスライターとしてアジアのフットボールシーンを中心に執筆活動を行う。「フットボール求道人」を自称。

インドネシアで最も優れた左SBアルハンは東京Vでレギュラーを張れるのか(上)

公開日: 更新日:

 インドネシアから爽やかな若人がやって来た。

 今季から東京ヴェルディに加入した20歳のレフティー、プラタマ・アルハン・アリフ・リファイだ。

 どんな漢なんだ? ファンは気になっているに違いない。ただひとつ、間違いなく言えることは、3万人程度だった東京Vクラブ公式インスタグラムのフォロワー数を、一瞬にして15倍(45万人)にも大飛躍させ、Jクラブトップへ押し上げたのは、彼の存在によるという事実である。

■最優秀ヤングプレーヤー賞

 筆者が彼の存在を知ることになったのが、2021末にシンガポールで行われた「東南アジアサッカー選手権」(AFFスズキカップ)だった。

 左サイドから自らボールを持ち運び、チャンスメイクもできる攻撃的ラテラル(サイドバック)、精悍なルックスとフレッシュさが混じった若人という印象を持った。

 そして後に彼は、大会最優秀ヤングプレーヤー賞とベストイレブンを受賞することになる。

 東京Vがアルハンの移籍を発表したのが2022年の2月。J2と言えどもレギュラーを張るには、少々技量不足ではなかろうか、と思ったのも正直なところだった。

■見え隠れする政治的要因

 日本へ旅立つ前に行われた移籍会見は、所属元のPSISスマランではなく、インドネシアサッカー協会の主導で行われた。実にインドネシアらしい演出であり、政治的要因さえも見え隠れするものだったが、期待の高さは見て取ることも出来た。 

 実際のところ、本国での彼の評価はどうなのか、同国のフットボール事情に詳しいスポーツジャーナリスト、バグース・プリアンボードー氏に話しを聞いた。

 ーープラタマ・アルハン・アリフ・リファイの日本への移籍話は知っていますか?

「もちろん。20歳のタイミングで日本へ行くことは、彼のキャリアが大飛躍を遂げたと言って良いでしょう」

 ーー今回の日本移籍、インドネシア国内でどのように報じられているのでしょうか?

「う~ん、あまりビッグニュースとして報じられた訳ではありません。が、今回の移籍について知っているのは<フリートランスファー>だったということです。これはPSISスマランが、メディアを通して発したことなので間違いないはずです」

代表の韓国人監督に見出された逸材

 ーーなるほど。彼の移籍について他にはあまり良く知らないと?

「あるとすれば、韓国のクラブも彼に興味を持っていたことを知っています。ただ東京Vが提示してきたプロセスの方が、よりスムーズだったということなのでしょう」

 ーーアルハン選手の国内での人気は、どの程度のものなのでしょうか?

「データは持っていませんが、彼が国内で有能な若手であることには間違いありません。シン・テヨン(インドネシア代表監督)がUー20代表だけでなく、A代表にも彼を選んだことからも分かるでしょう」

 ーーではそのシン・テヨン代表監督の秘蔵っ子である、彼の長所と短所を教えてください。

「彼は非常にスピードがあり、1対1の局面でもしっかりと対応することが出来ます。また素晴らしいクロスもあり、オフェンス面での良い判断も兼ね備えていますよ。ポジショニングについては少し問題がありますが、全体的に見て、彼はインドネシアで最も優れた左サイドバックのひとりだと言えます」

■プレイスキックスキルの高さは必見

 ーー他に彼について何か知っていることはありますか?

「正直、彼について多くの逸話は知りません。ただ彼がスマランに住む家族やクラブから多くの助けをもらって育ってきたことは知っています。そして彼のプレイスキックスキルの高さには、いつも感心しているんですよ。彼は今までに信じられないほどのゴールを決めてきましたから。恐らく日本でもYouTubeから、それらのフリーキックゴールを見ることは出来るはずですよ」

 ーー日本で挑戦することを選んだ彼へ期待することは何ですか?

「自分自身を成長させるため、より多くの時間をプレイングタイムとして得られることを願っています。ただ日本では簡単な事ではないとは思いますが。でも諦めないで欲しいです。決して過去を振り返らずに、挑戦を続けて欲しいと思っています」(つづく)

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