巨人OP戦最下位から首位快走も…原監督の表情が曇る「投手・失策・故障」の内部事情

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 前評判は高くなかった。オープン戦は4勝11敗2分けで最下位タイ。チーム打率は12球団ワーストの.215だった巨人のことだ。それが、開幕すると、首位を快走。それでも原辰徳監督(63)は「Number Web」で「正直に言えば、もっと今年は苦労すると思っていました。いまでも思っています」と慎重な姿勢を崩さないのは、不安材料が多いからに他ならない。

■菅野の投球フォームに技術的欠陥

 まずは、ここまで3勝2敗、防御率3.56のエース・菅野智之(32)が挙げられる。

 中日、巨人、西武で捕手として活躍した中尾孝義氏がこう指摘する。

「気になるのは、右腕を強く振ろうとするあまり、右肩を回す前に腕を振ってしまっていること。本来、投げ終わった際に右肩越しに本塁を見たいところですが、今は正対している感じ。要するに、右肩の回転が少なくて腕の振り切りが浅いのです。あれでは、打者から球が早く見えてしまう。いい時より球が指先にかかっていないようにも見えます。30代になった昨年あたりから、球威が落ちているし、精密機械のようだったコントロールも悪くなっています。桑田投手コーチも気が付いているはず。ただちに修正しないと、今年も苦しむことになりかねません」

 今季の開幕ローテーションはドラフト3位ルーキーの赤星優志(22=日大)、山崎伊織(23)、堀田賢慎(20)と経験のない若手がズラリと名を連ねた。同1位の大勢(22=関西国際大)が守護神を務め、これまで11セーブ。巨人の開幕ダッシュを牽引した。前出の中尾氏が続ける。

「確かに複数の若手が台頭し、このうち何人かが終盤まで波に乗っていければいいですが、これだけの人数の若手が揃って最後までいけるかは未知数です。本来は昨年11勝を挙げた高橋あたりが戸郷と引っ張っていかないといけない立場ですが、現状は中継ぎに甘んじている。好スタートを切ったとはいえ、投手陣の先行きは不透明と言わざるを得ません」

原野球の根幹揺るがす失策数1位

 今季は珍しく新外国人選手が当たっている。グレゴリー・ポランコ外野手(30)は3番に定着。アダム・ウォーカー外野手(30)は26日まで4戦連続マルチ安打。27日のDeNA戦は3打数1安打で打率を.333とした。原監督は「見事な打球の速さ。ああいう打球の速さっていうのはなかなか見られない。素晴らしい」と賛辞を惜しまない。ただ、打撃以上に目立っているのは左翼の「拙守」だ。

 前カードの中日戦で、やや左中間寄りの打球を前進して処理すると、打者走者は迷わず一塁を蹴って二塁へ。ウォーカーは目と鼻の先の中継・坂本へ叩きつけるような返球で、悠々二塁打にしてしまった。決勝点を献上した場面も、1死一塁から左前への打球で、俊足ではない一塁走者のビシエドに迷わず三塁へ走られた。打者走者も二進。その後、決勝点を許した。左翼へ打球が飛ぶと、走者は暴走気味でも先の塁を陥れる。これはセ5球団の共通認識となっている。元木ヘッド兼オフェンスチーフコーチは「そういうことを言ったら話にならない。打ってくれている」と目をつぶる意向を示している。

 巨人OBで評論家の高橋善正氏がこう言う。

「26日のDeNA戦で、3安打した後の4打席目にDeNAの伊勢から執拗にインハイを攻められ、最後は高めの150キロ超えの直球で空振り三振を喫した。今後、ああいう攻められ方をした時に対応できるかどうか。守備でまともに投げられないのだから、今後打撃の状態が落ちてきた時に投手陣から不満の声が出るでしょう。今年はチーム全体で失策が多いのも気になります」

 今季のチーム失策は17でリーグワースト。さらに遊撃部門で3年連続ゴールデン・グラブ賞を受賞中の坂本が同ワーストの5失策を喫している。昨季リーグ最少だった鉄壁守備陣に綻びが生じている。前出の高橋氏がこう言った。

「原監督は貧打の時代も、投手を中心に守りを固め、失点を抑えて勝ってきた。それが、これだけポロポロやっているのだから、原野球の根幹を揺るがす事態ということです。特に名手といえる坂本は足が動かなくなっているように見える。ただでさえ遊撃は守備の負担が大きいのに、投げられない左翼ウォーカーのカバーのため、これまで以上に広範囲を負担しなければならないから心配ですね」

■故障者続出も懸案事項

 故障者が出始めたのも不安材料だ。捕手の大城が23日の中日戦の走塁時に右足首付近を負傷し、24日はベンチ外となった。登録は抹消されていないものの、26、27日もスタメンマスクを小林に譲った。現在捕手は4人体制を敷いている。

「大城が出場しないと、明らかに打線が弱い。相手もそう感じているでしょう。中田も首を痛めて離脱したし、左脇腹を痛めて開幕戦を欠場した坂本、今月半ばに体調不良で3試合欠場した主砲・岡本和の状態も気になります」(前出の高橋氏)

 宿敵阪神はコケたが、巨人も決して万全ではない。

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