故障者続出ズタボロ阪神に追い打ち…矢野監督の舌禍とエコ贔屓でいよいよ空中分解寸前

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 先日の神宮でのヤクルト3連戦でカード勝ち越しを決めた矢野阪神。大量15の借金返済に向け、波に乗っていきたいところで、ショッキングなニュースが飛び込んできた。

 球団は26日、二軍調整中だった左腕の高橋遥人(26)が左肘靱帯を再建する「トミー・ジョン手術」を受けたと発表したのだ。高橋は昨季終盤に一軍へ昇格すると、7試合登板で4勝(2敗)、防御率1.65をマーク。昨オフに左肘をクリーニング手術し、二軍キャンプでブルペン入りしていたが、その後、左肘の違和感によりノースロー調整が続いていた。「トミー・ジョン手術」は復帰までに1年以上を要するため、今季中の復帰は絶望的。度重なる故障に悩まされながらも、左腕エース候補として大きな期待が寄せられていただけに、チームにとってダメージは大きい。

 24日のヤクルト戦では、主砲の大山悠輔(27)が走塁時に左足を負傷して途中交代。井上ヘッドは慎重に起用していく方針を示しつつ、スポーツ紙の取材に「悠輔まで離脱すると誰がおんねんとなってしまう」と頭を抱えた。さらに、20日のDeNA戦で7回無失点の好投をした小川一平(24)も25日に右肘の張りで抹消、27日の中日戦の先発を回避することになった。今月中旬には藤浪晋太郎、伊藤将司、江越大賀の3選手がコロナに感染。ここにきて、選手の離脱が相次いでいる。

■連敗ストッパー青柳を「エースとは呼べない」と

 そんなボロボロの状況に追い打ちをかけそうな火種が、チーム内でくすぶっているという。

「『連敗ストッパー』のエース・青柳晃洋(28)に対する矢野監督の発言です」とは、阪神OB。

「青柳は今季2試合目の先発となった22日のヤクルト戦で、2019年4月以来となる完封勝利をマーク。チームの敵地連敗を12で止めた。初登板の試合でも今季初勝利を挙げ、6連敗中だったチームの窮地を救った。まさにエースそのものですが、矢野監督は22日のヤクルト戦後、『2試合(だけ)ではエースとは言われない。エースになれない』といった発言をした。『それに値するような投球』などとフォローは入れてましたけど、矢野監督は以前から、就任1年目にFAで獲得した西勇輝を『エース』と呼び、高く評価していますからね。とはいえ、今や誰が見てもエースは青柳。チーム内でも青柳への同情の声が上がったそうです」

 矢野監督は青柳が今季初勝利を挙げた試合後、テレビインタビューで友人の文字職人からもらったという色紙に書かれた文章について滔々と説明。まるで色紙が勝因といわんばかりで、その奇行に青柳の好投が吹き飛ぶ格好になった。

「矢野監督は二軍監督時代に鍛えた選手など、一部の『お気に入り選手』の起用にこだわる傾向がある。顕著なのは正捕手の梅野に対する冷遇です。昨季終盤は目をかけている坂本を積極的に起用している。そのため梅野は昨オフ、FA権を行使するかを熟考。宣言せずに残留して複数年契約を結んだ。それも矢野監督の退任を見越してのことだともっぱら。チーム内から、矢野監督に有終の美を飾らせてやろうというムードはありません」(前出の阪神OB)

出番のない選手が次々トレード志願か

 開幕から不振が続いている糸原を起用し続けることについても、ネット上では「贔屓の引き倒し」といった声が多いが、指揮官に冷遇されているのは梅野だけじゃない。「高山もそのひとりです」とは、球界OB。

「16年に新人王を獲得するも、以降は不振が続き、昨季はプロ初の一軍出場ゼロに終わった。いわゆる“矢野チルドレン”の植田、熊谷、島田といった足のある選手を使いたいこともあり、なかなか出番に恵まれない。今月9日、2年ぶりに一軍へ招集されましたが、開幕から低迷が続く中、二軍からのプッシュがなければ実現していなかったと聞いています。実際、一軍昇格した試合は代打での途中出場。その日、2年ぶりの安打を放ちましたが、代打での出場が続き、スタメン起用されたのは16日の巨人戦。せっかく二軍では打率.325と打ちまくっていたのに、矢野監督は高山を生かしきれていません」

 だからなのか、チーム内では「環境を変えたい」と考えている選手も少なからずいるという。

「昨シーズン途中にソフトバンクへトレードされた中谷もそのひとりだったそうです。17年に20本塁打をマークするも、以降は低迷。矢野監督が就任した19年以降は出番が減り、昨季は二軍暮らしが続いていた。右の大砲が手薄なソフトバンクが手を挙げ、トレードに至った。移籍2年目の今季は開幕一軍こそ逃しましたが、19日に昇格するなり結果を残し、スタメン起用が続いている。高山も環境が変われば活躍する可能性は十分あるだけに、本人もそれを望んでいると聞きました」(前出の球界OB)

 なかなか復活の兆しが見えない藤浪も同じことが言える。

「かねて複数球団からトレードの要望が殺到している上に、本人もまんざらでもないようです。歴史的低迷が続いている現状、補強などのテコ入れは不可欠。高山や藤浪ならいいトレードができるはず。しかし阪神はメンツや体裁を気にしてか、人気、注目度が高いドラフト1位選手の放出に二の足を踏んでいるというわけです」(前出の球界OB)

 矢野監督による青柳へのネガティブ発言、選手の「移籍願望」……。チームはいよいよバラバラになりかねない。

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