ウィンブルドン「ポイントなし」の波紋…排除したロシア選手が世界1位になる皮肉

公開日: 更新日:

 混乱が広がっている。

 開催中のテニス全仏オープン(OP)はウィンブルドン(英国、6月27日開幕)の話題で持ちきりだった。最も歴史ある4大大会で、世界ランキングのポイントが選手に付与されないことになったからだ。

 ロシアのウクライナ侵攻を理由に、ウィンブルドンは4月、ロシアとベラルーシ選手の出場禁止を決定。するとプロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)は対抗措置としてポイントの剥奪を決めた。

 これにはトップ選手も大混乱。大坂なおみ(24=世界ランク38位)は全仏OPの初戦敗退後、「ポイントがなければエキシビションと同じでしょ? 現状では行かない方向に傾きつつある」と欠場を示唆した。スポーツライターの武田薫氏はこう言う。

「トップ選手にとって賞金は二の次。大事なのはポイントです。それが手に入らないのであれば欠場は避けられない。何より政治や戦争が絡んだ雑音の多い大会になってしまった。もともと芝のコートを苦手とし、今はメンタル面に不安を抱える大坂選手が辞退するのも納得です。ATPとWTAが強い抗議を示すためには、これしかなかったのではないか。ATPとWTAはもともと選手組合からできた組織。選手個人の立場を守るというのが最低限のラインとしてあるのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち