著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

聖地ウィンブルドンがロシアとベラルーシ選手の出場を禁止…ボイコットは起こるか

公開日: 更新日:

 テニスの4大大会の第2戦、全仏オープンが始まっている(本戦は22日から)。それにしても時代の流れは実に激しい。

 1月の全豪では、ナンバーワンのジョコビッチがワクチン接種を拒んだことから国外退去になった。コロナ蔓延(まんえん)はいまだ収まっていないが、もはや全仏、それに続くウィンブルドンもワクチン接種の有無など問わないという。いまや問題はロシアのウクライナ侵攻──冷戦崩壊後にスポーツが謳歌(おうか)してきたきれいごとは雲散霧消し、選手の集中力も限界にきている。

■反プーチンの誓約書

 当面の課題はウィンブルドンだ。聖地だとあがめられるテニスの頂点が、ロシアとベラルーシ出身選手の出場を認めない決定を下した。

 ジョンソン政権下、英国スポーツ相はかねて出場選手に「反プーチン」の誓約書を求めるよう、大会に圧力をかけていた。

 ロシアには世界ランク2位のメドベージェフを筆頭に複数の有力選手がおり、その活躍がプーチン政権の宣伝工作に利用されるとの臆測がある。大会側が一気に出場禁止まで踏み切ったのは、誓約書では選手の家族にまで危害が及ぶことを配慮したのだろう。苦渋の選択にしろ明らかな政治的介入で、男子ツアーのATPも女子のWTAも強く反発している。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カーリング女子フォルティウス快進撃の裏にロコ・ソラーレからの恩恵 ミラノ五輪世界最終予選5連勝

  2. 2

    南原清隆「ヒルナンデス」終了報道で心配される“失業危機”…内村光良との不仲説の真相は?

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  5. 5

    高市政権「調整役」不在でお手上げ状態…国会会期末迫るも法案審議グダグダの異例展開

  1. 6

    円満か?反旗か? 巨人オコエ電撃退団の舞台裏

  2. 7

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  3. 8

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 9

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  5. 10

    近藤真彦「合宿所」の思い出&武勇伝披露がブーメラン! 性加害の巣窟だったのに…「いつか話す」もスルー