田中希実は1500mと5000mで2冠、800mで2位 国内敵なしでも「世界女王」とは彼我の差
国内では文句なしの「女王」だ。
世界陸上(7月・米オレゴン州)の代表選考会を兼ねた今大会。3種目に出場した田中希実(22)が、1500、5000メートルで2冠を達成。参加標準記録を突破しており、代表に内定した。2位だった800メートルは標準記録(1分59秒50)には届かなかった。
■急成長の女子トラック陣
この日の注目は、4日間で5レース目となる5000メートル決勝。800メートルが終わって約70分後のスタートで疲労が懸念されたが、最後の1周で後続を引き離して優勝。2位の広中璃梨佳(21)は、1万メートルに続いて代表入りした。
「案外余裕を持てたので、800メートルを走っても走らなくても同じだったと思う。(世界陸上は)両種目とも決勝に残ってしっかり走りたい」
こう語った田中は、東京五輪1500メートルで8位。この種目では日本勢で初入賞の快挙だった。広中も同五輪1万メートルで7位となり、日本勢では25年ぶりの入賞だった。女子のトラック勢は確実にレベルが上がってきたが、世界の中長距離界には化け物がいる。東京五輪で5000メートルと1万メートルの2冠に輝いたシファン・ハッサン(29=オランダ)だ。