東京五輪“最大のレガシー”を「税金を身勝手に使ってもアッサリ逃げ切れる」と識者バッサリ

公開日: 更新日:

「かつて我々が見積もったよりも、少ない金額に着地できた」

 21日に行われた東京五輪組織委の理事会で、こう自画自賛したのが武藤敏郎事務総長だ。組織委の発表によると、東京五輪の最終的な大会経費は1兆4238億円になり、昨年末に公表された試算よりも292億円減額したという。

 それに対して、「ちゃんちゃらおかしな話です。そもそも招致段階では予算7340億円で『コンパクト五輪』を掲げていたんだから、かつて見積もっていた金額は倍増してるじゃないですか」とは、東京五輪関連の著書がある作家の本間龍氏だ。

 都が招致活動をしていた当時、猪瀬直樹都知事は「東京五輪は神宮の国立競技場を改築するが、ほとんど40年前の五輪施設をそのまま使う。世界一カネのかからない五輪なのです」と熱弁していた。ところが、招致が決まると一転、国立競技場の他に東京アクアティクスセンターや大井ホッケー競技場、カヌー・スラロームセンターなど、6つの施設を新設することになった。当初の見積もりより経費がハネ上がるのは必然だった。

総額3兆円に達するという試算も

 さらに言えば、組織委が発表した数字には「大会関連経費」が含まれていない。全てを合わせると総額3兆円に達するという試算もある。前出の本間氏が言う。

「関連経費には道路の舗装などはもちろん、東京五輪で技術大国をアピールするため、水素自動車の実証実験なんていう訳の分からないものも含まれている。そうやって国民の税金を垂れ流したのに、一連の説明が一切ない。なぜ予算が倍に膨らんだのか、何に使ったのか、どうして招致時の約束が果たされなかったのか。真相はヤブの中です。これでは使われた経費の正当性の検証すらできません。人さまのカネを身勝手に使ってもアッサリ逃げ切れる、その前例を作ったことが東京五輪の最大のレガシーですよ」

 この日の理事会で今月末をもって組織委の解散が決まった。新設された競技場のほとんどが維持管理費や土地の賃借料などで毎年巨額の赤字を生むといわれる。そこに責任を取る者はおらず、ツケを払い続けるのは国民だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷も「勝てる要素のある試合」と悔いた 侍J最悪のWBC8強止まり…井端監督チグハグ采配の痛恨

  2. 2

    ベネズエラ戦惨敗は井端監督の「自業自得」…リリーフ崩壊は昨年末から始まっていた

  3. 3

    広瀬すず 映画賞受賞ラッシュでも残された大仕事「大河ドラマ出演」への“唯一のネック”

  4. 4

    侍Jを苦しめるNPB「選手ファースト」の嘘っぱち トレーナーの劣悪待遇に俳優・渡辺謙もビックリ?

  5. 5

    経済効果1000億円!「嵐」ラストコンサートの心憎い演出と現地の熱狂をファンが語る

  1. 6

    伊原春樹監督との“壮絶確執”の前日譚 監督就任を知って絶望、引退が頭を過ぎった

  2. 7

    「タニマチの連れの女性に手を出し…」問題視されていた暴行“被害者”伯乃富士の酒癖・女癖・非常識

  3. 8

    和久田麻由子は“女子御三家”の女子学院から東大へ 元NHKの先輩・膳場貴子と重なるキャリア

  4. 9

    高市首相の訪米につきまとう「外交オンチ」不安 トランプすり寄り一辺倒なら予算案年度内成立は頓挫必至

  5. 10

    活動停止→STARTO社退社後も“芸能界引退”はしない? 嵐リーダー大野智の“マル秘”ビジネスプラン