著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

驚異的「円安ドル高」が大リーグを目指す日本人選手に与える“意外な影響”

公開日: 更新日:

 値上げの10月がやって来た。帝国データバンクの調査では、10月に値上げされる食品や飲料の数は6699品目で、9月の約2.8倍、2022年に入って最多となる。

 さらに、為替相場も9月22日に一時、1ドル=145円台を記録すると、政府と日本銀行が1998年6月以来となる円買いの単独介入を行った。

 過去最大となる3兆円規模の円買い介入の効果は限定的で、翌日以降も終値は144円台で推移している。

 主要各国の中央銀行が政策金利の引き上げなどの金融引き締め策を行う中で、日本のみが依然として大規模な金融緩和を継続している。円での預金では利益が少ないからドルに資金が流入し、円を売ってドルを買う動きが強まるから、結果的に円安ドル高となるのは、当局が金融政策を変更しない以上、当然だ。

 しかも、ウクライナ問題を契機とする燃料高も加わり、輸入商品の値上がりや海外行きの航空運賃の高騰など、普段は縁遠いように思われる為替相場の影響が確実に日常生活に及んでいる。

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