大関・貴景勝は頂点まで「綱渡り」…賜杯を逃せば綱とりは一から出直し

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 ほんのわずかでも踏み外したらジ・エンドだ。

 貴景勝(26)は16日、竜電を立ち合いで吹っ飛ばし、押し出しで完勝。盤石の相撲で勝利したものの、春場所5日目にして「3勝」は綱とりを目指す力士としてはいささか寂しい。

 先場所優勝し、今場所も賜杯を掴めば横綱昇進はほぼ確実。それだけに序盤の2敗が重くのしかかっている。

 初日は翔猿、4日目は阿炎に、いずれもはたき込みで黒星。粘れず、あっけなく土俵に倒れ込んでしまった。

 4日目からは、珍しく左ヒザにテーピングを巻いて出場。阿炎戦の後は佐渡ケ嶽審判部長(元関脇琴ノ若)が「左足をかばっているような感じ。いつもの貴景勝なら残せたかもしれない」と話していた。

 ただでさえ、安定感に欠ける押し相撲の上、ヒザの故障となればいよいよ崖っぷちだ。

「3日目の正代戦を見る限り、ケガをするような取組ではなかったが……。もしかしたら、日常生活や朝稽古で痛めたのかもしれない。あるいはダメージが蓄積していたのか。貴景勝はもともと右ヒザを故障し、かばっているうちに左ヒザも痛めた過去がある。こうなると、再び右ヒザも……という悪循環に陥りかねない」(ある親方)

 賜杯を逃せば綱とりは一から出直し。これ以上は1敗もできない「綱渡り」である。

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