著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

トランプや小トランプに悩まされる米球界 観客約4割が民主党支持で分断も…

公開日: 更新日:

 今年3月に米国の大統領経験者として初めて連邦犯罪で起訴されたドナルド・トランプが、今度は機密文書の取り扱いを巡り37の罪状で訴追された。

 当の本人は来年の大統領選への出馬を宣言した後で司法当局が起訴しているため、選挙妨害だと反発する。昨秋の中間選挙で支援する候補者が落選するなど、トランプの政治的な影響力は周囲の予想に反して陰りがみえている。

 それだけに、今回の一件は、トランプにとって有権者に「不当な迫害を受ける候補者」という印象を与え、共和党内の大統領指名争いを有利に進めるための格好の機会となる。

 一方、球団経営者の4分の3が共和党を支持する大リーグにとって、トランプの反応は悩ましいものだ。なぜなら、もしトランプが訴追の影響で大統領選への出馬を撤回したとしても、共和党にはトランプのような極端な発言を行っても問題視しない雰囲気が充満しているからである。

 米国民の分断や米国の国際社会からの孤立を招いたとされるトランプながら、その発言は共和党支持者の多くから肯定され、受け入れられている。そのため、党内には「小トランプ」ともいうべき存在が少なくない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々